おいしくあれ器
この1週間、釉薬かけて窯たいて、泥んこつなぎ姿の砂漠なカラダで丑三つ時をいくつ迎えたことでしょうか。(さっき撮影のあと食べたヨーグルトです)
ボーヴォワールが、こんな砂漠的なわたしを見たらなんと言う?
『人は女に生まれるのではない、女になるのだ、いやまちがえた、あんたは泥んこになるのだ』と。きっとそう。
そんな泥んこ姿で、本部からお声かけいただいたキュレーションマガジンへの掲載準備をしています。
アトリエをとび出した陶器がギャラリーやショップに立つ。この感覚が「舞台」であるとするならば、ここ数年急増してきたキュレーションコマースへの掲載は「架空の土俵」。
何度もセッティングしなおして本番を迎える「舞台」とは反対で、「架空の土俵」ではモデルさんに1回だけ360℃フル回転しながらポージングしてもらい、それを記録する。流すたびに新鮮な売り込みができるというわけ。
「売るための器」というのは、業界的に暗黙の了解でバージンでなくてはならず、人の手に渡るまでは水すらつけてはいけないみたいな風潮があります。
「1回だけおいしいもの入れました!こうやって」という写真を載せて、「このあとはあなたの番ですよ(買ってトライしてみて)」みたいなバージン破りの方法で訴求してみようかな。架空のカスタマーエクスペリエンス的な感じかな。
アトリエをとびだすのなら、器たちよ、もっともっとおいしくあれ!
砂漠なアトリエをとび出した器たちよ、シズル感たっぷりで、もっともっとパースペクティブな世界を羽ばたいておくれ!
じゅるっと果汁のように。
朝だ、春暁だ。
追記
キュレーションマガジンショップで、写真のヨーグルトのお皿を販売します。(担当者さまお待たせしてスミマセン)
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