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適当なドクター

 私は小さい頃からアトピーと共に生きている。若い頃は指導を含めた入院をするほど、まぁそれなりに悩ましい病である。今は疲れが溜まるとどひゃーっとひどくなるけれど、普段は適宜薬を塗ってコントロールをしている。

 様々な病院に通ってきて、色々なドクターを見てきた。皮膚科の女医さんはめっちゃドライ。サバッサバッって音が聞こえるくらいの診察で、患部をちらりと見て
「あ、じゃ薬出しとくから。ひどいときは亜鉛華軟膏も塗っちゃってね。包帯ね。はい、お大事に」

 恐らく2分もかからない。

 不思議なことに男性のドクターは一方、何言ってんだか聞き取れないようなウィスパーヴォイスで、あれやこれやと検討してくださる。
「うーん。どうしてこうなったかをよく見つけて対応しないと、薬なんか塗ってもまた元の木阿弥だものねぇ。どうしてなのかねぇ。…まぁ今日はわからないから、とにかく薬を塗っておくわけだけど、どの薬が相性がいいのか、試していくのがいいと思うから…(長いのだ割愛)」
という調子で、30分くらい診察室内にいることがざらにある。

私としては、この中間がいい。ソフトだけどさっぱりがいい。

 だって、ジャンジャン診察するタイプの先生は、ハッキリ言って「診てもらった感」がない。こんなに長く患っていて、今更、診てもらった感なんていらんだろうよ、とお思いでしょうが、やはり患者として行った以上は少しは丁寧に見てほしい。というかちょっとだけ気にかけてほしい。

 でも、症状はいつも一緒だし、出る薬も同じだから長々と原因追及とかしなくていい。治らないんだから、こんなことになってるわけで、今更ねぇ。

 今、近所の皮膚科には何人かドクターがいるのだが、2人の女医さんたちはまさに前述の通りの瞬殺医でちょっと苦手。特に院長先生はすごく美人で、ちょっと物足りないなぁって顔をしてしまうと
「本気で治したい?方法、あるよ。グルテンやめて。」

それは無理。ラーメンは飲み物なので。

 で結局、唯一の男性のドクターに通っているのだが、これまたちょうどいい感じのウィスパー診察で、
「うーん、これは何かなぁ。湿疹かなぁ。」
と囁いてくる。なのに
「じゃぁ薬出すけど、前にも使ったことある薬だから、ま、好きな時に好きなのを塗ってね。」
と治療に関しては丸投げ。原因についても独り言をつぶやくだけで、たぶんそこまで追求する気はなさそう。

最高じゃん!?

こうゆうのを私は待っていたのだよ。ソフトで早い。

 聞けば、この曖昧さから一定のフレームは必ずあるドクターらしい。が、長患いをしているけど、ちょっとはケアの雰囲気だけは欲しい私のような我儘な患者にはぴったりだと思う。

 もちろん、簡単な手術もすぐにやってくれるから、本当は適当ではないのだけど、診察の対応が適当なのがとてもいい。
つくづくいいとこに住んでるな、自分。
#医者 #皮膚科 #長患い

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