見出し画像

エンドウ

 一般に、エンドウ豆を好きな人ってどれくらいいるのだろうか。
 エンドウだけではないが、私はとにかく豆が好きだ。ということに最近気が付いた。
 昔は、「絹さや」と「さやいんげん」の「さや」かぶりに、どっちがどっちだか分からなくなったのだが、今でははっきりと区別ができ、どちらも大好きな野菜だ。
 そういえば近ごろのスーパーでは、「キヌサヤ」と「インゲン」になっている気がする。よく考えると、厄介なのは「絹さや」のせいだろう。彼らには「サヤエンドウ」という名前もあり、もうなにがなんだか分からなくさせているのはあの薄っぺらいが美しく美味しい野菜ではないかと思う。
 私が特に好きな豆はもちろん、枝豆ではあるが、そのほかにもスナップエンドウがある。子どもの頃はあまり流通していなかった野菜だと思う。だから「スナック?スナップ?」と迷っていた時期がある。調べてみたら昔はどちらの呼び方もあり、昭和58年に農水省が「スナップエンドウ」に統一したらしい。きっと母が混同していたに違いない。
 これらの豆たちをさっと下茹でしたときの香りがまたいい。青くて香ばしくて、色つやもよくて、胡麻汚しにする前についついパクっとつまんでしまう。
 その点、枝豆やソラマメはその後ずっといい香りが部屋中に充満してくれるので、幸せが長続きする。
 見た目良し、香り良し、そしてもちろん味も良し。夏の前以外は高くてなかなか買えなくなるので、今この時期に沢山食べて幸せを味わいたいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?