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演技講師が考える「秘密は何もない」

こんにちは、演技講師のひがくぼかおるです。

さて、今回のタイトル「秘密は何もない」
これは本のタイトルです。

昨日、ピーターブルック氏が7月2日パリで死去したことが報じられました。
気付いた時には演劇界の「すごい人」という印象だったピーターブルックさん。97歳でお亡くなりになられたそう。

シェイクスピアの古典やオペラ、現代劇、ミュージカルなど、多彩な作品を斬新で創造的な演出で作り上げ、観客に衝撃を与えつつ魅了した。演劇論の著作「なにもない空間」は、世界各地で数多くの演劇関係者に影響を与えた。

Yahoo!ニュース

昨日のニュースを受けて、家にあった「秘密は何もない」を取り出してみました。
いくつか付箋が貼ってあったところをピックアップしてみたいと思います。
ちなみにこの付箋、もう何年前に貼ったものか覚えてません(笑)
しかもこの本は譲り受けたものなので元の持ち主もページの端を折ってマークしています。
当時、私や彼が何を考えてそのページ、その言葉に印をしたのか、なにを感じていたのか、いまも同じように思うのか…
思いを馳せてみたいと思います♪
みなさんもよければ、同じ言葉・文章からどんな印象を受けるか、そこからどんな気付きがあるか、感じてみてくれると嬉しいです。

なんと序文から付箋が…!

私はできるだけ努力して、自分の言葉が、前もって書かれたのではなくてその場で思いついたような、新鮮なものに聞こえるようにしました。
               中略
私たちは同じ部屋にいて、同じ興味をもち、友達同士が会話をする時のように、同じ言葉によってー-演劇の言葉、人間の経験の言葉という同じ言葉によってー-話をしたり互いに理解し合ったりしているのだ、と。

「秘密は何もない」ピーターブルック著

普段、私が人前でお話する際に心掛けていること。
話したいこと、その日に伝えるメインのメッセージは決めていますが、その場で生まれたように話すこと。
これは演じる時にも通じる。

こういう一見単純な行動をして、ただ歩いている時と同じように自然に見せるためには、高度の専門家としての芸術家としての、ありとあらゆる技術が必要になりますー-ある観念に血を通わせ、情緒的現実感を込めねばならないのです。単なる物真似を越え、作り出された人生が実人生と並行している、つまり、作り出された人生がどんな次元においても実人生と区別できないというふうにしなければならないのです。

「秘密は何もない」ピーターブルック著

私も新劇の流れの劇団で修業をしたので、リアリズムの演技がベースです。この文章はよく聞く「憑依」とは違います。
芝居をする時に心掛けていること。アドリブはしないこと。
お客様にアドリブだと感じられるような表現も稽古の末に生まれたものであること。

圧縮とは、どうしても必要でないものはすべて取り去り、残るものを強めること

「秘密は何もない」ピーターブルック著

゛実人生と区別できないというふうにしなければならない゛という考えはあっても、舞台上で繰り広げられている世界は単なる日常の延長であってはならない。無駄なものを徹底的に排除したとしても、それでも違和感のない世界を作り出すには…
逆にリアリティを残すため「どうしても必要な雑味」みたいなものは残す必要がある。いずれにしても自分が表現する全てのことを取捨選択できるようにすること。

自分の最大の味方として退屈を挙げました。
                 中略
「何かが欠けているのは私だろうか、それとも舞台の方だろうか」と考えてみるのです。

「秘密は何もない」ピーターブルック著

常に自分も含めて疑問を持ち続けること。

私が生まれる前から演劇界の第一線で活躍していたピーターブルック
今もってその言葉は古びることもなく、たくさんの影響を与え続けています。
さぁ、みなさんはどんなことを考えましたか?

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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