ピアノを弾く動作

ピアノという楽器は極めて単純な器具だと言っても良い。機構は楽器の中でも複雑なのだが、ハンマーが弦を打つ、鍵盤が底板を打つ、この2種類の打楽器が併さったものだ。その発音の原理から言えば単純なのである。

メーカーにより多少の違いはあれ、ハンマーがアクションから放たれる地点は
所謂鍵盤の底ではないことは今さら強調する必要もあるまい。

かたや人体における動作は、これまた人によって違うものの、基本的には同じようなものだと言ってよい。

速い動作、強い動作に際しては体は小さく丸くなろうとする。また、力は腰を起点として波状に末端へと伝播してゆく。

ジョルジュ サンドはピアノを弾くショパンの手の動きはヘビのようだと形容したそうであるが、なにショパンに限ったことではない、ルパンでもショクパンでもピアノを上手に弾いたならばヘビのように見えたのである。サンドはショパンを愛していたからショパンの名を出したに過ぎない。

今日ネットがここまで普及するとまぁあるはあるは、ピアノの弾き方からお辞儀の仕方まで閲覧できるようになった。
ざっと目を通して見ると体のパーツの形状を表記してあるのが大多数である。動き自体を書いてみようといった試みを感じさせるものは殆どない。

ピアノの機構と人間の動作との関連について観察しないことには全ては無意味だろうにと思っている。

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