全国通訳案内士:令和2年度の受験ログ
全国通訳案内士という国家資格がある。
通訳案内士法で「報酬を得て、通訳案内(外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する案内をすることをいう。)を業とする。」と定められている。
全国通訳案内士になるためには年1回の試験で合格しなければならない。
これを試し受験してきた。本当に「受けただけ」なので、ガチ勢の方が参考になるようなことは一言も書かれていない。
「受験してみたいが、格式が高い」「試験の雰囲気を知りたい」という方に楽しんでもらえれば嬉しい。
受験を決めるまで
私は高校時代、中国語を勉強していた。日常会話が最低限こなせる程度で、決して上手ではなかったが。
英語以外の言語が話せると、通訳を頼まれる場面が結構ある。
通訳は技術だ。第一線の通訳者ですら、「ああでもない」「こうでもない」といいながら勉強と研鑚を続ける“技”なのである。
それを「ああちょうどいいところに来た!ちょっと通訳してよ!」と気軽に頼まれると狼狽える。どうか、どうかご容赦を!と毎回思う。
「素人に毛が生えたレベルなので…」と正直に話しても「でも、0じゃないでしょ!」と押し切られる。そのうち、「いっそ、通訳を引き受けられるほど上手くなるしかないのでは?」と思うようになった。
外国語に馴染みのない人でもわかる〈通訳できる〉の指標
自惚れでなく〈通訳できる〉といえる、客観性ある資格
これを考えたとき「それなら通訳案内士だろう!」となった。
ところが、どう勉強すればいいか見当もつかない。それなら、まず1回受けてみるか!となった訳である。
・・・
実際の試験
8月に一次試験(筆記)、12月に二次試験(口述)がある。
受験したのは一次試験だけ。
▼外国語
10言語から選ぶ。最大2言語まで*。
*ただし、1言語以上で免除を持つ者に限る
私は中国語(繁体字)で受験した。
長文読解(エッセイ、エッセイ、説明文)
発音、構文(文型)、内容理解、四字熟語
会話文(翻訳)
日→中
用語解説
日→中
長文読解は一般的な検定試験対策で対応できそう。
特徴的なのは、会話文と用語解説。
案内業務上、必要な会話/単語説明が出題された。
特に用語解説は、用語そのものの知識も必要なので、対策必須。
▼日本地理・歴史
観光に関係する内容に特化した出題。専門の対策本を買った方がいいと思う。
歴史は日本史Bの資料集がビジュアル対策に使えそう。
▼一般常識
印象は〈ビジネス旅行にアテンドするなら必須な知識〉。
解きながら(知らないよ〜!)と思った。でもプロの案内士なら知ってて当たり前の内容なので、〈一般常識〉とは、その通りだと思う。
対策としては、業界誌で知識をつける習慣を身につけるのが良さそう。プロになったら対策本に頼るわけにはいかないので。
▼通訳案内の実務
関連法から出題。
範囲が狭い+知ってれば解ける問題なので、攻略するならここがいいかも。
いわゆる受験勉強のテクニックでいける出題形式。
全体の感想
「範囲は広いが、受からない(筆記)試験ではない」というのが第一印象。
意地悪な出題がないので、頑張りがいがある試験ともいえる。
科目単位で合否が出るのもいい。合格科目は翌年は免除になる。
なら、2年がかりで計画的に合格する作戦が使える。
実際に受けてみて、一般常識と実務は、1年目でも合格が狙える出題だと感じた。
次のために、この2科目だけでも対策すればよかった、と少しだけ後悔した。
いずれにせよ、試験対策の方向性が見えた、という点で当初の目的は達成されたのでよかった。来年の合格を目指そうと思う。
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