行きつけの話
今日はアミュプラザの野の葡萄で4時間ランチをしました。お腹いっぱいたまねぎです。(9月30日で閉店なので、行きたい人はお早めに!)
みなさんは行きつけのお店ってありますか?
カフェだったり、お店だったり、服屋さんだったり。バーとかだとお洒落ですよね。
行きつけと呼べるかはわかりませんが、私には行き慣れたガソリンスタンドがあります。
というのも、自宅から1番近いガソリンスタンドなので、両親もそこによく行くこともあり、元から娘である私は認知済みだったんです。かなりVIP扱いして頂いてます。
私の愛用の原付でウインカーを出すと、バイトやパートの方ではなく、社員さんが必ずスタンバイしてくれます。
そこで良く接してくれる優しい社員さんは3人います。
そのメンバーを私が勝手につけているあだ名で紹介しますね。
・中川家
顔が中川家の誰かに似ているからこのあだ名。優しいお父さんタイプ。結構グイグイ話しかけてくる。最近は「いつ車を買うんだ?お父さんにお願いしてごらん」とよく話している。
・主任さん
ネームに「主任」と書いてあったためこのあだ名。たぶん偉い人。背が高くて歯が白い。小走りの時の姿勢がめちゃくちゃ良い。あまり多くを語らない鉄壁の接客スマイル。
・牧さん
名前が牧ナントカだから牧さん。たぶん20代後半で、整備士っぽい格好をしている。私の教採をいつも案じていて応援してくれる。ジャンベの話をすると喜ぶ。
前はこれに加えて「おうちさん」っていう人もいたんですけど、最近異動になったっぽくて、見かけないです…残念。
今日はその中でも、牧さんの話をしたいと思います。
牧さんは近所のお兄さんみたいな感じで、大学のこととかサークルのこととか、進路のことをよく聞いてくれていました。
先生になりたいんです、って話をすると、「えー!!すごいっすね!俺めちゃくちゃ応援します!!」って言ってくれました。いい人。
私がガソリンを入れる時間帯に高確率でシフトに入られていたので、かなり遭遇率は高かったんですね。
そして今日、接客に来てくれたのは主任さんでした。
でも、そのすぐ後ろで牧さんが何か言いたげにこっちを見ているんです。
なんだろうと気にしつつ、最後に財布をカバンに仕舞おうとしていると、牧さんがスッと寄ってきて、話しかけてきました。
「試験の方は順調ですか?」
それから教採の話、大学の話、勤務地はまだ決まってない話など、とりとめもない世間話をしました。
「勤務地はこのへんだといいですね」
と、牧さんはいつもいいます。「この辺だとまたここにガソリン入れに来れますよね!」と以前もニコニコしながら言ってくれました。
一通り世間話を終えると、牧さんは寂しそうに、「今日…最後…………頑張ってくださいね!」と言いました。
フルフェイスのヘルメットを被っているせいで、微妙に聞き取れなかった私は「そうですね!ありがとうございます!」と当たり障りのない返事をし、そのままガソリンスタンドを後にして、近くの100円ショップに向かいました。
牧さんは少し寂しそうな表情を浮かべて、エンジンをかける私を見ていました。
100円ショップで買い物をしている間、私は牧さんの「今日…最後……」で何を言おうとしていたのかを考えていました。
そして、もしかして今日が最後の勤務だって言おうとしてたのか!?!?ということに思い至ったんです。
牧さんが最後の挨拶をしてくれていたとしたら、なんと私は適当な返事をしてしまったんだと、数分前の行動を大後悔し、買い物もそぞろにすぐにガソリンスタンドへと向かいました。
交通量の多い交差点の近くにガソリンスタンドはあるので、右折をするタイミングを見計らいつつ、牧さんの姿を探しました。
すると、重そうなオイル缶を抱えた牧さんがふとこっちを見てくれたんです。
車だらけの中で私のブラウンの原付は目を引いたんでしょう。見つけて小さく手を振ってくれました。
さっきまで、
「もしかして今日が最後の勤務だったんですか?」とか。
「今までありがとうございました」とか。
「新しい地でも頑張ってください」とか。
言いたいことを何度も頭で復唱していました。
だけど、牧さんが手を振ってくれて、私がそれに全力の会釈で返して
なんだかそのやりとりだけで満足してしまったんです。
バックミラーに映るガソリンスタンドの光を少し見て、青信号になった交差点をゆっくりと右折し、私は家に帰りました。
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