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すごいぞ!はっせん!■17ーJR四国8000系

今回はJR四国(四国旅客鉄道)8000系について語ります。

JR四国8000系は1992年、JR四国初の特急電車として48両が製造されました。制御付き自然振り子方式を採用し、予讃線の電化区間の延伸とともに特急「しおかぜ」「いしづち」として運用についています。

試作車は3両編成で、先頭車にパンタグラフを搭載しています。このパンタグラフは車体内にワイヤーを通して台車とつながっており、車体が振子機構によって傾いているときでも架線の位置を合わせられるようになっています。国鉄初の振子車両である381系は架線の張り方を工夫することで対応し、JR東日本のE351系やJR九州の883系や885系は車体内に台車とパンタグラフをつないだ支柱を通すしくみが採用されました。
設計最高速度は160km/hとされ、実際に160km/h運転をめざしてさまざまな試験を実施しましたが、量産車は130km/hを営業最高速度として製造されることになりました。

編成はグリーン室を持つ車両を含む5両編成(L編成)と普通車のみの3両編成(S編成)があり、通常は5両編成が岡山発着の特急「しおかぜ」に、3両編成が高松発着の特急「いしづち」として走ります。互いを連結する側は貫通扉がついた形態をしており、両端の流線型とはまた異なる雰囲気を見せています。需要が少ない時期は3両編成が2両編成となることもあります。
両列車は多度津で分割併合する時期が長く続きましたが、設備改良によって宇多津での分割併合に変わりました。岡山発着の利用が大きく増える時期には8両すべてが特急「しおかぜ」となり、高松発着の特急「いしづち」は多度津や宇多津で乗りかえとなる日が設定されます。

「しおかぜ」と「いしづち」の併結場面

基本編成と附属編成1本ずつは「アンパンマン列車」として子どもたちに親しまれており、車内の放送やメロディーも専用のものが流れるようになっています。

アンパンマン列車の「しおかぜ」

後継となる8600系は車体傾斜型となりましたが、8000系とほぼ同等の性能を誇ります。8000系はリニューアルを2度行い、1度目は内装の更新が中心、2度目は内装と床下機器類の更新が行われる予定です。このことから、これからも引き続き活躍が期待できそうです。

簡単ではありますが、概要を載せておきます。

■四国旅客鉄道8000系
・製造初年 1992年(量産車は1993年)
・製造両数 48両(5両編成8本、3両編成8本)
・制御方式 VVVFインバータ制御(GTO素子)
  ※2度目の更新で変わる予定
・営業最高速度 130km/h(試作編成は160km/hをめざした)
・運用線区 予讃線、瀬戸大橋線(宇野線・本四備讃線)
・運用区間 岡山・高松ー松山(一部区間運転あり)

それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。

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