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【Edge Rank761】コロナ禍の中での入院生活【たまのみか】

いきなり禍々しいタイトルで始まりましたが、たいして深刻な話題ではありませんのでお気楽に!

思いもよらぬ面会謝絶!

少しお休みさせていただいておりましたEdge Rank。実は先月のわたしの担当回のタイミングで急遽夫が入院し、少しバタバタしておりました。

とは言っても重篤な病気というわけではないんですよ。以前から痛めていた半月板がちょっとした拍子に「いよいよあかん!」という状態に。これまで騙し騙しで過ごしてきたのですが、これを機に思い切って手術しようということになりました。

さて、健康だけが取り柄の我が家。病院とは無縁の生活をしているので「入院」、それも「手術付き」となると、その準備たるや、それはもう一大イベントです。知人のお見舞いに行ったときの様子やこれまでいろんなところで聞きかじった情報を総動員し、そしてたどり着いた結論は「入院生活は暇らしい」ということ。

とりあえずの日用品を用意したあとは、自由に動画を見たりネットを徘徊できるよう、わたしのSurface Goを夫仕様にセッティング。充電器やイヤホンなどの周辺機器をわかりやすくまとめ、スタイラスペンはなくされると困るので収納ケースから取り出して…、そうそう! 最近買い集めている漫画『じゃりン子チエ』の文庫版も持たせてあげよう、などとまるで旅行の前日のようにいそいそと準備をしました。

入院期間は約一週間。着替えの下着などは多めに持たせ、ま、足りなくなったらお見舞いのついでに持っていけばいいし、そうね、毎日遊びに行ってダラダラ二人で漫画読むのもいいな、なんて不謹慎ながらも心配半分、楽しみ半分で入院当日を迎えました。

ですが。もうそれが、想定外の事態でしてね…。

すでに非常事態宣言は解除されていましたが、こんなご時世です。なんと入院中は患者の家族であっても面会は不可! 見舞いに行っても病院の受付までしか入れず、着替えなどの差し入れがある場合も受付を通して受け渡しするという徹底ぶり。

手術当日は病室のあるフロアから手術室のある階までのエレベーター内のみ付き添うことができましたが、術後にまたエレベーターに同乗し、病室のフロアまでついたところで「では、ご家族はここまでで…」と看護師さんに言われ、「え、え、じゃあね…!」とそのまま乗ってきたエレベーターで戻り、なんとも手持ち無沙汰な気持ちをかかえたまま病院をあとにしました。

報道などで、コロナに罹患すると家族に一度も会えないまま永遠の別れとなることもあると聞いていましたが、まさか自分も同じような状況になるとは考えてもおらず、他人事のように感じていても不安はいつもそばにあるんだなあと実感することとなりました。

思えば今回の状況って、世界はガラリと変わってしまっていることは理解していても、毎日の生活はなんとなく平凡に過ぎているし、でも漠然とした先行きに対する不安だけは常に霞がかかったように暮らしを覆っていて、なんだか醒めない夢を見ているような気持ちになります。「アフターコロナ」や「ウィズコロナ」なんてかっこよさげに言われたりもしますが、現実として以前の暮らしが戻ることはもうないんでしょうね。

知らない間にじわじわとみんなが思い描いていた未来から世界の行き先が逸れていって、それでも当たり前のように生活が続いていくところがなんとも不気味な2020年だなあなんて思っています。

あ、ちなみに夫のその後ですが、入院中は診察やらリハビリやらでたいへん忙しかったようで、漫画読んだりする暇もなかったようです。術後の経過も良好で、おかげさまで5日ほどで退院いたしました!

7月の共通テーマ「すれ違い」

「すれ違い」と聞くと必ず頭をよぎる記憶があります。今から30年近く前、わたしが学生だった頃のことです。

ある日、大学の友だちと石山寺へ行こうという話になりました。

石山寺は滋賀県にあり、紫式部が源氏物語を執筆したとも言われる由緒あるお寺です。わたしが住む大阪の北部からだと電車で一旦京都へ向かい、そこで乗り換え滋賀方面へ、そこからさらに乗り換えて南下して、と、かなり旅気分を味わえる行程です。

友だちとは大阪の梅田駅の京都行きホームで待ち合わせをし、○時○分の電車に乗っていこうね、と約束をしていました。ですが、当日わたしは遅刻をしてしまい、その電車の発車数分後に待ち合わせ場所のホームへ到着しました。

申し訳ないな、と思いつつあたりを見渡しますが友人の姿は見えません。向こうも少し遅れてるのかな?なんて思いつつ、しばらくそのまま待つことにしました。

当時はスマホや携帯電話はおろか、ポケットベルですら一般的ではなく、待ち合わせの時間に遅れそうになっても連絡を取り合う手段がありません。約束の時間に相手が来なければ、しばらく待つのみ。公衆電話から相手の自宅の固定電話へかけてみても、すでに出かけていてまずいませんしね。(たまにまだ自宅にいたりしてびっくりすることもありましたが…)

来ない相手をどれくらい待つのか、そこは個々の性格にもよりますが、通常は10分から15分くらいでしょうか。わたしはいつも、急ぎでなければだいたい30分くらいは待つほうだったのですが、その日、友だちは待てど暮らせど現れません。

なにか急用ができたのか、行き違いがあったのか、事故などでなければいいのだけど、なんてぼんやり考えながら過ごしていたのですが、ふと「まさか先に行ってないよね…?」という思いが頭をかすめます。

確かに、きりのいい時間と場所を指定して待ち合わせをしたのではなく、乗る予定の電車を決めてざっくりとホームで落ち合おうという話だったけど、いやいや、普通その時間に現れなかったからって一人ででかけることはないだろう、などとぐるぐる考えているうちに40分ほどがたちました。

せっかく友だちと約束をして出かける予定だったので、また別日に仕切り直そうかとも思いましたが、そのあとの予定もないし、友だちとはあらためて行ったっていいのだから今回はひとりぶらぶら出かけてみるかな、と電車に乗り、石山寺へ向かうことにしました。

2時間近くのんびり電車に揺られて石山寺のある大津市の郊外へ。最寄りの駅から寺までは琵琶湖から唯一流れ出る川・瀬田川沿いをしばらく歩きます。

瀬田川はのちに淀川と名前を変えて大阪湾まで流れていきますが、緑深い山を背景に水面がキラキラ輝き、あたりの風景を眺めているといつも暮らしている大阪の煩わしさから開放されて清々しい空気に包まれます。さすが、平安時代に京の都から貴族たちがはるばる訪れたのも頷けます。広い寺の境内は全体が回遊式の庭園となっていて、山の斜面も利用した起伏のあるコース。そこに自然の風景とよく手入れされた四季折々の草木が調和しています。

ちょっと遠かったけど来てよかったなあ、ここならまた友だちと改めて来てもいいな、なんて思いながら散策していたのですが、ふと近くをすれ違う通路に目をやると、見覚えのある顔が。

なんと、待ち合わせをしていた友人が境内にいたのです…!

「えー!まじで?わたし40分くらい待った!」
「電車の時間になっても来なかったから先に乗ってきた、あとから来るかなと思って」
「普通待たん??」
「普通乗るやろ」
などと思わぬ迎合に爆笑でしたが、ま、元はと言えばわたしが遅刻をしてしまったのが発端。その後、無事本堂で落ち合い、そこからは二人で石山寺参りを楽しみました。

いつでも連絡を取り合える現代ではありえない話ですが、思い返すとほんとにのんびりした時代だったなあ!

今月の Edge Rank マガジンの共通テーマは「すれ違い」です。
あの新型コロナの接触確認アプリは、いわばすれ違い通信。ということで、人生のすれ違いや、恋人や夫婦のすれ違い、あるいはスレ違いで誤爆した話など、あなたの「すれ違い」をテーマにしたエピソードを教えてください!
noteやブログ、ツイッターで、ハッシュタグ #EdgeRankBloggers を付けて投稿すると執筆メンバーが読みます!
→ https://twitter.com/intent/tweet?hashtags=EdgeRankBloggers
内容によってはEdge Rankで取り上げさせていただくこともあります。

編集後記

今回は夫の入院の話をさせていただきましたが、実は現在、わたしも病院通いをしております。それも大学病院!

病気や怪我で苦しまれている方にはほんとに申し訳がないのですが、毎回の通院がほんとに楽しくて…。普段接することのない大病院に出入りして、世の中にはわたしの知らない世界があるもんだなあ、と感慨にふけっています。だって、病院の中に鰻屋さんがあるんですよ…。

来月は大学病院にある鰻屋さんがおいしいかどうかの話でもさせていただきましょうか。

それでは、わたくしの担当回はこのへんで。

次回は7月24日(金)奥野さんの登場です。お楽しみに!

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