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「名探偵のままでいて」、でも僕はままではいられない

読んでいて懐かしい気持ちになりました。

昔、探偵ものが好きでよく読んでいました。

僕のミステリー史は中学生、高校生の時に江戸川乱歩からはじまり日本・海外の探偵ミステリーを読んでました。

その後、京極夏彦を読んで衝撃を受けてみたりしてると、またそのちょっと後で東野圭吾が人気が出てきて読んでみたり。

しかし、いつからかミステリー、いや小説を読まなくなりました。

ビジネス本や実用書ばかりを読むようになり、ミステリーより実益のある知識を求めるようになり、読むのに時間のかかる小説から徐々に離れていったような気もします。

んー、あとそもそもミステリーに飽きていたというのもあるかと思います。

読み重ねていく中で、ふっと、何かに理由をつけて人が殺されたりする物語をゲームを楽しむかのようにコーヒーを片手に呑気に読み耽ることって、なんか不健全だと感じるようになったんですよね。

物語のために無闇に殺されたりする人々の命の軽さ。

コナンくんの住む米花町は、連日、謎の猟奇殺人事件があり世界有数の奇妙な犯罪都市となっている?ように、コナンくんの物語を紡ぐために死屍累々、多くの人が殺されていく様はを冷静に考えてみるとどこか滑稽だったりしませんか?

そんなことを考えていた日々なんて、とうに忘れてた今日この頃。佐久間信幸さんがラジオで読んだと言っていたのを聞いて、何の気なしに読むこととなりました。

佐久間さんが好きで、実はこの本を読む前にもう一冊別の本を紹介しており、そちらも読みました。「君のクイズ」というこちらもミステリー。

「君のクイズ」は従来の探偵ミステリーとは違い新鮮でした。一方、「名探偵のままでいて」はいわゆるザ・探偵ものという感じです。

このザ・探偵ものを読むことで昔の自分の生活をゆるりと思い出し、なんかゆるりと小説を読んでいた日々を懐かしく感じました。

おそらく、また暫く探偵ものを読むことはないかと思います。

でも、またいつかこういう本に出会い、また今の僕を過去として思い出したりする日がくるような気がします。

まあ本との出会いは縁だし、そして読んで何を思い出し感じるかはお楽しみだし。

そうやって読書を楽しんでいけばいいのだと。


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