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過去問至上主義者の勉強記録 〜中位合格者編〜

こんにちは、be a lawyerのたまっち先生です。

今回は、be a lawyerの講師として活躍していただいている77期の修習生の講師に『過去問至上主義者の勉強記録』というタイトルで勉強開始から司法試験合格までのロードマップを記事にしていただきました。

今から法曹を志そうとしている方、今法曹を目指して勉強をしているが勉強の方向性がわからなくなっている方に特に読んでいただきたい記事となっております。

be a lawyerでは、予備試験・司法試験受験生向けに過去問添削、個別指導を中心とした受験指導サービスを提供しております。
一刻も早く合格したい方はぜひ我々と一緒に適切な方法で勉強を進めていきましょう。初回無料面談を承っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。


では、本編をご覧ください。


第0 はじめに


 この記事の趣旨は,あくまで僕個人の司法試験合格に至る勉強「体験」を記録したものに過ぎず,「参考」程度に読んでいただければ,幸いです。

第1 経歴


 あまり法曹志望者がいない都内中堅私立大学の非法律学科(法学部)を学部3年次卒業(早期卒業)し,都内私大ロー(既修)に学費半額免除で入学しました。
ロー修了後,令和5年度司法試験で「本当に」運良く一発合格しました。
 学部~修習開始までは,個別指導塾と家庭教師のアルバイトをしていました。
 中学,高校時代は,吹奏楽部に所属し,土日祝日は終日練習といういわゆる部活漬けの日々を送っておりました。大学,ロー時代は,社会人中心の地元の吹奏楽団に2団体掛け持ちで所属しており,今も活動を続けています。

第2 司法試験の結果


1 短答 
 (1)憲法 38/50
 (2)民法 64/75
 (3)刑法 44/50
   ・短答合計点 146/175
   ・短答順位 335位

2 論文
(1)公法系科目 110点前後
  憲法  B
  行政法 A
(2)民事系科目 150点代中盤
       民法  D
  会社法 B
  民訴法 A
(3)刑事系科目 110点代
  刑法  A
  刑訴法 B
(4)労働法   45点前後
   ・論文合計点 420点代
   ・論文順位  1000位前後

3 総合成績
 ・得点 900点前後
 ・順位 900位代

第3 法曹を志した理由


学部2年次の冬、GPAが学科内1位で,大学提携のlecの入門講座が学費免除で通えることが分かり,「これは自分を変えるチャンスだ!」と思い,司法試験を目ざしてみることにしました。


第4 勉強の記録



1       ロー既修1年―基礎基本の反復―
 定期試験対策は,ローの課外講座として開催される過去問ゼミで答案の書き方を学んだ。基本書は,各科目『基本〇〇法』やアガルートの基本書を紹介しているサイトを参考にメジャーな本を使用しました。判例百選は,会社法,民事訴訟法を除き,あまり読みませんでした。定期試験前は、アガルートの合格論証集をひたすら反復し,覚えたことを吐き出せるか定期試験の過去問の起案で確認するというオーソドックスなやり方をとっておりました。
ローまで片道2時間かかったことから,通学時間は論証集の反復にほとんどの時間を充て,授業日以外はローには行かず,地元の図書館、ワーキングスペース等で勉強していました。結果として,通学という絶対的な暗記の時間を確保できた点は良かったです。
ローの予習型の講義は自分に合わなかったので,講義を聴いてから理解することに努めました。真面目に全ての講義を頑張るというよりは,「司法試験のためにローに来ている」という目的達成のために必要な限度でローと向き合っていたと思います。

2       ロー既修2年
 選択法(労働法)の学習をゼロから始めました。労働法を選択した理由は,教材が充実していること,選択者が多いことからです。解答例付きの本が好きなので,辰己の1冊本と水町先生の『事例演習労働法』を用いて学習を進めました。

必修科目が減り,可処分時間が増えたことから,司法試験対策に本腰を入れました。
・短答対策
単年度を時間測って解く週1の自主ゼミに参加し,合計10年度分を解きました。どうしても後回しにしがちな短答対策を強制的にやる環境ができたので、ありがたかったです。なお、自主ゼミの運営にあたり,あくまで同じ空間で学習をすることに意味があるのであって,「解答について議論する」ようなことは,時間がいくらあっても足りなくなることから,おすすめはしません(失敗談)。
自主ゼミを通じて,いつも短答が試験時間内に終わらないという弱点を克服できたので良かったです。

・論文対策
 短答と同様,司法試験過去問を起案する自主ゼミに参加し,答案を大量生産しておりました。復習は辰己のぶんせき本の解答例を熟読し,『憲法ガール』,『行政法ガール』,『論文演習会社法』,『司法試験体系的過去問解析 刑法』,同『刑事訴訟法』といった解答例付きの本で行いました。特に,反町先生の刑法,刑事訴訟法は,解答例を通じて,当てはめの技法を学ぶ事ができ,有益でした。
 書いた答案は,ローのサポート制度の答案添削を利用し,週4通は出すようにしておりました。合格者に,答案を見てもらうことは,自分の実力を把握するのが難しい受験生にとって,これからすべき努力の方向性が見えるため,是非積極的に答案添削に受けてみると良いと思います。
 論文の科目は,①誘導会話文型の科目②過去問の焼き直しが多い科目③過去問のみでの対策が難しい科目に分けられると思いました。①に該当する(と思う)憲法,行政法,民事訴訟法は,基本的に全年度フル起案し,漏れなく誘導を拾うことで得点を落とさない訓練を積みました。次に②に該当する会社法,刑法,刑事訴訟法は,H18からの全年度の司法試験過去問をフル起案し,過去問に出てきた論点の処理手順を何度も見返すことで対応しました。③に該当する民法は,条文数,論点ともに多く,時間をかけた分のリターンが小さい(コスパが悪い)と個人的には思いましたので,直近5年分の起案にとどめました。

3       ロー修了後から司法試験
・短答対策
TKC模試で合計点が92点であったことに焦りを感じ,過去問を解くだけではなく,択一六法で条文を熟読するなどして,記憶の定着を図りました。特に担保物権や相続の分野は,条文知識があれば解ける問題がほとんどでしたので,条文素読はやっておいて良かったと思います。
・論文対策
論文は,「1日1起案」を最低ラインとし,多い日で3起案,過去問演習を繰り返していきました。過去問以外の演習書等は使わず,予備校の答練も使いませんでした。
復習は,上記で挙げた書籍の解答例と採点実感を読むことにとどめ,高速周回を意識した学習を行いました。

第5 司法試験当日の過ごし方


 司法試験は試験時間がとても長く,体力が求められる試験です。この体力は,日々の起案で鍛えられたこともあり,なんとか最後の科目まで気力を保つことができたと思います。
 休憩時間は,アーモンドチョコを食べ,会場の外のベンチで寝っ転がることで,リラックスを図りました。

第6 司法試験後とまとめ
論文で不安が残る科目がたくさんありましたので,「今年はダメかも」と思い込んでおりました。他方,短答の出来は自己ベストでしたので,何とか奇跡でも起きないかと願っていたところ,合格発表の掲示を見て,自分の番号があったので,やっと全てが報われた気持ちになりました。

 過去問を繰り返すこと,起案から逃げないこと,コスパの良い科目に重点を置くこと,復習は必要最小限度で効率的に行うこと,これらが勉強において僕が重視していたことです。
 最後まで読んでいただき,ありがとうございました。


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