新人医療事務が自信を持って電話対応をできるコツ
GWも終わって、これまで先輩がついてくれていた新人医療事務の方々もそろそろ独り立ちが近づいてくるころです。
分かる、分かる。
誰もがとおる新人医療事務の関門ですよね。
ITが急速に発達して、メールをはじめとしたテキストでの連絡が多くなった今日。しかし、医療の現場というのは内線・外線問わず、まだまだ電話による連絡がほとんどです。
(そもそもセキュリティの関係上、インターネットに接続しているPCが限られているためメールをする機会が少ない ※電子カルテの機能で院内チャットツールはある場合が多い)
医療事務が所属する医事課は「院内の何でも屋」と思われている節があるので、とりあえず困ったら医事課に電話をするスタッフも多数。
時には「し、知らねえ…!」と思うような内容や、絶対にうちの部署に聞く内容じゃない「プリンターのインクを頼みたい」なんて電話が入ることも日常茶飯事(私の部署は外来会計係でした)。
医事課では常に電話の音が鳴り響いているのです。
脳内で変換できない専門用語。まくしたてるような早口。
新人医療事務は「自分に対応できない内容だったらどうしよう…」と電話に恐怖心を抱きがちですよね。
そんな新人医療事務の不安をよそに「電話は新人がとるもの」なんて暗黙の了解がある医療機関も少なくありません。
電話が怖いのに電話に出なければならない。そんな悩みを抱える新人医療事務が病まないように、うまく電話対応をできるコツをお伝えします!
(注:病院を想定しているため、小規模のクリニック等では勝手が異なる場合があります)
1.魔法の言葉「確認いたしますので少々お待ちください」
とにかく忙しい医事課。電話が鳴ると先輩から「お前がとれよ」という無言の圧を感じることでしょう。
そんなときは、とりあえず受話器をとりましょう。
相手が何を言っているか理解できなくても大丈夫。はい、はい、と相槌を打ちながら聞き取れた単語をメモします。
そして一言。
「確認いたしますので少々お待ちください。」
魔法の言葉を伝えたら、すかさず保留ボタンを押しましょう。
そしてすぐに先輩へ相談!
「すみません、〇〇先生が電話で△△とおっしゃっているのですが…(聞き取れた単語を伝える)。言っている意味がわからなくて…。」
先輩はその単語を聞けば、たいていの場合「あ~、あれを聞かれているんだな」と見当がつきます(私の先輩側の経験談)。
そして重要なポイントは「自分には電話の内容が理解できない」と伝えること。
「〇〇について聞かれているから、△△を確認してみて」とアドバイスをくれるでしょう。
もし新人医療事務が何を言っているか分からなければ、問題になっても困るし、自分が対応したほうが早いので先輩が電話を代わってくれます(笑)。
ただし、成長するためにはここで終わりにしてはいけません!
「先輩、電話を代わってくれてありがとうございました。〇〇先生が言っていたのはどういうことだったのでしょうか?」
この質問、超大事。可愛いくてデキる後輩ポイントが急上昇します(教育に長けている先輩ならば、新人医療事務から質問せずともフィードバックしてくれますが)。
ここで理解できなかったことを学んでおけば、次に同じような電話があったときも「あ、あのことだな」と思い出せます。仮に適切な回答が分からなかったとしても、先輩に「△△の件ですが、どのように回答したらいいですか?」と質問できるので、丸投げせず自身で対応が可能に。
電話に出ることが怖くても、とりあえず電話に出て「わからなかったら魔法の言葉を使えばいいや~」と気楽にいきましょう。
2.内線だったら電話相手の部署と名前を忘れずにメモ
内線だったら「循環器外来看護師の山田です」というように、開口一番に相手が名前と部署を伝えてくれるでしょう。
これ!これを逃してはいけません!!絶対にメモをとりましょう。
なぜなら、どこの誰からの電話か分かれば、だいたいどうにかなるからです。
新人医療事務は、電話を受けて「はい、はい、確認します!」と言ったものの、そのまま電話を切ってしまうパターンも少なくありません。
そして先輩に相談して言われるのです。
「どこの誰からの電話?」
「あっ…」
あるあるです。
こうなると折り返しもできなくなってしまいます。
まあ、患者さんについての問い合わせであれば、電子カルテの閲覧履歴などをたどればだいたい見当はつくんですけどね(笑)。
あとは、時々「〇〇について調べておいて!」なんて自分の用件だけ言って電話を切られてしまうケースもあります。
仮に新人医療事務では対応できないような内容であっても、先輩や上司から折り返してもらう必要があるので、どこの誰からの電話かは重要です。
相手が呪文のような言葉を言ってようが、とりあえず所属と名前を聞いておきましょう。もし名乗ってもらえなかったり、聞き取れなかったりしたら、電話を切る前に「失礼ですがどちら様ですか?」「恐縮ですが、お名前と部署を再度お伺いしてもよろしいですか?」と言いましょう。
そして、可能ならば折り返しの内線番号も聞いておくと最高です。
3.担当者を覚えよう
少し余裕が出てきたら、魔法の言葉と相手の部署・名前以外に各担当者を覚えると、一気に電話の難易度が下がります。
生活保護担当者
自立支援医療担当者
妊婦健診担当者
などなど、その内容について担当者以上に詳しい人は存在しません。
教育担当者がいるうちはその先輩に聞けば良いですが、独り立ち後もその先輩だけに質問し続けると「担当は〇〇さんだから、あの人に聞いてね(訳:担当じゃないから私に聞かないで)。」と言われてしまうでしょう。
そんな時に、担当者が誰なのかさえ分かっていれば、直接スペシャリストに質問しに行けます。はじめのうちは誰が何を担当しているか覚えるのも大変なので、メモして携帯しておくと安心です。
結局慣れるから大丈夫
電話の恐怖心を捨てる方法について、小手先の技を語ってきましたが、安心してくださいね。半年もすれば慣れます。会計作成の手をパソコンから離すことなく電話対応ができるようになりますよ(ニッコリ)。
とにもかくにも、電話対応をするときはこれを実行すればバッチリ。
「確認しますので少々お待ちください」
名前と部署をメモする
担当者を覚える
そもそも、先輩医療事務とのコミュニケーションがうまくいかない場合は、お菓子を差し入れしてみてください。女性ばかりの医療事務の現場では、これでたいていうまくいきますから。
さりげない差し入れが重要ですよ。「帰省していたので地元のお菓子を買ってきました!いつもお世話になっているので!」みたいな感じで。パーティーパックのひとつを渡すようなイメージ。
電話対応は医療事務の最も大変な業務のひとつですが、少しずつレベルアップしていきましょう!新人医療事務としてがんばるみなさんを心から応援しています!
あと、これを呼んだ医療事務以外の医療従事者の方は、明日から医事課に電話をするときちょっとだけ優しくしていただけると嬉しいです(笑)。
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