3.スプレッドや占例-基本編③：ヘキサグラム　恋愛編

　7枚のカードを使用し、
1）過去　
2）現在　
3）近い未来　
4）障害/対策　
5）相手の状況や心理　
6）自分の状況や心理　
7）最終結果　
       についてカードを引き、カードで六芒星を描く占い方です。
　　一般的に、「3）近い未来」は1ヶ月先くらいの状況を、「7）最終結果」は3ヶ月先くらいの状況を示すこともありますが、例えば占ったことが「1ヶ月先の相性」であった場合は「3）近い未来」は1〜2週間後の状況を、「7）最終結果」は1ヶ月先の状態を示しているでしょう。
　　特に相手と自分の状況の比較や、2者間（例えば企業Aと企業Bなどでも可能です）の関係を見ることに適しています。下記に恋愛関係を占った場合を示します。(商談/仕事が気になる方は、次の「基本編④：ヘキサグラム　商談編」の記事へどうぞ。)

　①恋人との関係は今後どうなりますか？(恋愛)

　　1）過去：正義　
　　　過去、恋人と質問者の関係は非常に対等で、均衡が保たれている関係だったようです。情熱的で愉快な関係というよりは冷静で物事をよく吟味してから判断するような、ややビジネスライクなところもある関係だったと言えますが、芯に通っている真面目さが程よい緊張感を生み出していたと言えるでしょう。

　　2）現在：節制逆位置
　　　現在においては、お互いに我慢しているところがあるか、表に出していない不満が溜まっているようです。生活習慣が乱れていたり、忙しいために健康状態もいまひとつ奮わないような慢性的な疲労のようなものが軽く漂っている雰囲気があります。意思疎通はうまく行っているのでしょうか？このカードが出ている以上は難しそうです。原因に当たるものとして何があるのか、
　　　5）相手の状況や心理
　　　6）自分の状況や心理
そして
             4）障害/対策を見ていきましょう。
　★このように、スプレッドを展開した場合は各カードの関係や組み合わせを見ていくことが大切になります。慣れるまでは難しいですが……。

　　3）近い未来：聖杯/カップの8逆位置　
　　　手放すべきものを手放せない状態に陥りそうです。諦めたいような、諦めたくないような、歯切れの悪い状態に陥りそうです。その「諦めたいもの」とは相手との対話かもしれませんし、関係そのものかもしれませんが、やはりまだ一縷の希望があるために手放せずにいるようです。その希望があるうちはやり切るのが良いでしょう。きっと、1）過去に出ていた正義のカードが象徴するような真面目な状態と、2）現在に出ている節制逆位置の我慢をしているような状態が閉塞感を生んでしまうのでしょう。真面目だったり冷徹なばかりではない、4）障害/対策の聖杯/カップのナイトが示すような楽しい交流が必要になりそうです。現実的な問題や日々の生活の慌ただしさにばかり目を配るのではなく、お互いに世界の美しさやお互いの美しさに着眼する楽しい時間があっても良いのではないでしょうか。

　　4）障害/対策：聖杯/カップのナイト　
　　　障害と対策の位置に聖杯/カップのナイトが出ています。障害と対策の位置にこのような優しいカードがでる場合は、「もっとこうするといいよ！」という対策を、反対に塔や悪魔などの厳しいカードがでる場合は「こんな障害があるよ、注意してね」という障壁を示すことが多いです。この場合は、聖杯/カップのナイトのように、芸術や文化を愛し、恋そのものにも美しさを見出すような豊かな感受性が必要だと質問者に訴えているようです。このカードが対策の位置にでる以上、当事者同士がとても真面目で誠実な付き合いを志す傾向があるのは確かなようです。あるいはそうでなくても、この恋愛がそもそもお互いが人生を楽しむために起きているのだということを示しているようです。美食や芸術に触れて、陶酔するような心地で星を眺めることもときには必要かもしれません。最近、ロマンチックなデートなどは楽しんだでしょうか？そういった潤いや優しさ、ちょっと現実離れしたような甘いひと時が必要であるようです。癒しが求められています。

　　5）相手の状況や心理：隠者逆位置
　　　相手は何かあなたに対して言いたいことがあるようです。その言いたいことの内容としては、4）障害/対策の位置にある聖杯/カップのナイトに象徴されるような、「優しくて愛情のある交流がしたい」というようなものである可能性が高いです。しかし、過去に正義のカードが出ていた以上、二人ともかなり真面目な性分か、あるいは真面目にならざるを得ないような状況が続いたのでしょうか？ロマンチックな気持ちや甘えたい心理を表現する手段を知らないためか、今一つ引っ込み思案な状態になってしまっているようです。デリケートな心境になっていると言えるので、それこそ情熱的で優しく柔らかい、かなり絶妙なやり方でないと心理の核にまで迫るのは難しいかもしれません。徐々に徐々に、優しくアプローチしましょう。
　★1）過去、2）現在、4）障害/対策とで複合して読んでいます。このようにして、5）相手の状況や心理で出たカードの文脈や詳細を明らかにしています。物語のようにカードを読んでいき解釈を組み立てると良いでしょう。

　　6）自分の状況や心理：女教皇
　　　あなたは現在とても真面目に相手を見ているようです。女教皇は静かな内面や冷静にものを考える怜悧さを示すカードなので、恋愛においては情熱よりは知性や精神の対話を重視するクールな側面が出ていると読んで差し支えないでしょう。5）相手の状況や心理を見るに、相手はより優しく接して欲しい所に2）現在の節制逆位置に象徴されるような我慢が、あなたはより明晰な会話を好んでいる所にすれ違いが生じていそうです。この状況でより精神が安定しているのはあなたの方だと判断できるので、少し相手に歩み寄ってあげましょう。ですが、一時的な情熱よりも冷静さを重んじる姿勢は人間関係におけるあなたの実直な良いところと言えます。