13、死神(大アルカナ)解説
13、死神
大まかな意味(正位置の解釈)
白い空を背景に、黒い鎧の骸骨騎士が白馬にまたがって黒い旗を掲げています。黒い旗には白い薔薇が描かれており、この死神騎士が下す死の裁定が神の意思や清廉な意図を持って下されることがわかります。白馬の騎士の足元では王冠を戴いていたであろう青年が死して横たわっており、馬の鼻先では祈りを捧げる司教と無邪気な子供2人がまだ生き残っていることが分かります。その子どもの白い衣を着ている一方は髪に挿していたと思われる赤い薔薇を手放して目を閉じており、果たしてどこまで生きているのかが分かりづらい状態です。司教も命乞いをしているようで、果たして彼も敬虔さがあろうと助かるかは分かりません。背景では帆船が水門の奥、東から昇る太陽に向けて出航しています。全ての物事に訪れる不可避の終わりと、終わりや滅びが訪れた後の新たな状況を示唆するカードです。
★意味:状況の不可避の終焉、不可逆の変化、物事が衰退しきって滅びること、何かが死んで何かが始まること、停止や(場合によっては)敗北
※物理的な死を暗示するケースは非常に限られています。
★人間関係/恋愛上の意味:感情や関係(あるいは関係の一要素)が滅びること、何かが滅びたことによりもう後戻りできない変化が訪れること、関係が成立していても何かの理由により無関心になっている状態、関係が成立していない場合は無関心の暗示が特に強い
逆位置
死神騎士が訪れるべき終わりを訪れさせることができず、また東から登る朝日も登りきらず、完全な死もなければ新しい状況の到来もまだ先のようです。輝かしい復活や再生というよりは、課題の残留やそのために新しい状況の到来が遅れること、などと著者は解釈します。時折人生においては課題を殺しきる、消化しきることをしないと別の形でそれが訪れたり、一つの課題や命題を乗り越えなければ異なる装いでその頭を表したりすることがありますが、まさにそれを暗示しているものと解釈します。その課題がなんであれ、積極的に立ち向かわなければ次へ進めない状態と言えます。次へ進みたいかどうかや、そもそも課題を殺しきれていない時点で勢いや力が足りていないためにその気力があるかどうかは質問者にもよるとは思いますが。死にきっていないものが再びか細い息を吹き返すような気配がありますが、それ43どういったものに変化するかは質問をした人次第です。ですが、厳しい「死神」のカードが出ている以上、その状況には克服するべき課題や完全に脱ぎ捨てるべき古い自分が残留しているものと言わざるを得ません。慎重に状況を見極めたいところです。
★意味:状況に終焉が訪れきっていないこと、課題が残留していること、死に切っていないものが息を吹き返すこと、死に切れもせず堂々と生きることもできない中途半端な状態、回生への機会はあるものの相応の課題を伴う状態
★人間関係/恋愛上の意味:感情や関係(あるいは関係の一要素)が滅びきらないこと、訪れるべき滅びや課題の克服が終わっていないこと、滅びきっていないことによりその課題の履修や修了をもう一度行うこと、関係が成立していても何かの理由により歯切れの悪さや関わりたいような関わりたくないような中途半端な心境、関係が成立していない場合は無関心か何かしらの関心はあるもののそれが快くないものである暗示が強い
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