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14、節制(大アルカナ)解説

 14、節制

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 大まかな意味(正位置の解釈)


 白い空を背景に、赤い翼の人物が聖杯を二つ手に持ち、水を零すことなく行き来させています。静謐な湖面の上に右足を、葦の生えた陸地の上に左足を乗せ、その表情も目を閉じて穏やかでいます。過去を示す左側から黄金の太陽が昇ってきており、険しい山と道を越えた先にこの天使らしき人物のいる穏やかな地形に辿り着いたことが分かります。人物の白い衣に描かれた□と△はそれぞれ4つのスートの属性(火、土、風、水)と12星座の3つの属性(柔軟、不動、変通)を示しており、それが見事に調和している様を表しています。水と陸、4つのスートの属性と12星座の3つの属性の調和、無理のない状態や険しい道を越えた後だからこそ訪れる一種の穏やかさを暗示するカードです。
 ★意味:穏やかさ、平穏、無理のない状態、静かながらも腹8分ほどで満たされている状態、程々が維持されている状態、大きな利得や獲得はないものの穏やかな状態が維持されていること
 ★人間関係/恋愛上の意味:自然体なコミュニケーションが静かに行われている状態、現実と感情など両立しにくいものを両立している状態、情熱よりは静かで滲み入るようなコミュニケーションが行いたい心情

逆位置


 逆位置になると、この赤い翼の人物は果たして陸地と水面の両方に足を置き、二つの聖杯に水を行き来させることができるでしょうか。バランスが乱れた状態になることを「節制」の逆位置は示しています。上手く水が流れなかったり、湖面が波立つのは何か満たされていないものがあるためです。ですが、「節制」は「塔」や「戦車」などのように激しいカードではありません。口と目を閉じたこの天使らしき人物はきっといくら内心が波立とうと、それを言えずに塞ぎ込むか、今まで難しいバランスを保っていた力量を使って無理に頑張ってしまうでしょう。危うくはないかもしれませんが、切なく苦しい状態になりそうです。
 ★意味:他人には分かりづらい悩みを抱えている状態、現実と感情などの難しいものが両立できていない状態、何かが過剰になったり貧しくなることで苦しくなってしまうこと、転じて苦しい状況から逃げるために薬物や嗜好品に頼り過ぎてしまう依存状態なども稀に暗示
 ★人間関係/恋愛上の意味:塞ぎ込んでコミュニケーションが取れていない状況、言いたいことがあるのに何かに対する不信や諦めがあるために言えていないこと、欲求が満たされていない状態

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