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15、悪魔(大アルカナ)解説

 15、悪魔

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 大まかな意味(正位置の解釈)


 闇に包まれた空間に、逆さの五芒星(ペンタクル)を頭上に戴いた山羊の頭と人間の上半身、獣の下半身をした大悪魔がコウモリのような大きな翼を広げてこちらを見つめています。裸の男女は悪魔の乗っている祭壇に鎖で緩やかに繋がれており、右側の男性は炎(棒/ワンド:情熱や性的欲求)のついた尻尾と小さな角が生え、祭壇に片手を乗せたままこちらを諦めたように、あるいは悪魔のもたらす快楽に耽溺したような眼差しで眺めています。対して左側にいる女性は植物(金貨/ペンタクル:物質や金銭や名誉への欲)を実らせた小さな尻尾と角を生やしており、こちらをまっすぐ見つめています。このカードは物質欲や依存心、性的欲求や名誉に対する暗いながらも逃れ難い原始的な欲望が働いている状況を暗示しています。悪魔の誘惑から逃れることは難しいことですが、よく見れば鎖は緩やかで抜けられそうです。あとは、最早角と尻尾が生えて悪魔になりそうになっている自分を自覚して、再び光の世界へ戻ろうと足掻くことです。無論、断ち切るのに痛みは伴うでしょうが、この悪魔とともに暗い世界で過ごすよりは良い状況になるはずです。一番いけないのは、いけないと分かりつつ、あるいはいけないということにすら目を向けずに生産性も発展性もない破滅や退廃に身を置くことだと教えてくれているカードです。
 ★意味:誘惑に負けてしまっている状態、人間の精神としての清廉さよりは原始的な欲望に支配されている不健全な状態、焦燥や悩みや煩悶が強い状態、苦しくても望みがなくても何かに執着してしまっている破滅に向かいうる状態
 ★人間関係/恋愛上の意味:最早執着や妄執に成り果てている関係に身を置いていること、解消し難い怒りや恨みが積もっている状況、性的欲求や金銭への欲や依存心など愛情以外の感情でつながっている破壊的な関係

 逆位置


 逆位置になると、大悪魔の魔の手はやや緩んでいる状態と言えるでしょう。これを得た人物は、「悪魔」が正位置で出てくる場合よりも自分の悪いところやかつてあった苦悩、執着や欲求との折り合いをつけようとしている状態だと言えるでしょう。悪魔の魔の手や緩やかに繋がれた鎖から逃れようとしている状態です。それでもまだ、欲求を満たしてくれる心地よさや、停滞に身を浸す背徳的な欲望の存在を忘れた訳ではありません。よくいけば一抹の心地よさを、苦しければ後ろ髪引かれるような傷や痛みを覚えていることでしょう。まだ生傷がある状態ながらも前に進もうとしているか、前に進む一筋のチャンスがある状態だと言えるので、それを活かしたいところです。ですが、また耽溺に身を浸すのも選択肢のうちです。このカードを得た場合は、質問者とよく対話をしたいところです。
 ★意味:誘惑が弱くなっている状態、やや正気に戻っている状態、悪癖を断ち切ろうとしている状態、依存や破滅的な行動から距離を取ろうとしている状態
 ★人間関係/恋愛上の意味:束縛から逃れること、関係性の悪習などが見えていること、悪いものや執着心や依存心から距離を置こうとしていること、カードコンボによっては別離を望んでいること、カードコンボによっては悪質な関係から健全で発展的な関係に転じようとしていること

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