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20年あたためてきた不思議なお話し。「星に願いを」③

つづきです⭐️

①はコチラ→ https://note.com/tamakiokuda/n/nc7eb61b7bf9f

②はコチラ→https://note.com/tamakiokuda/n/nd095bc2dc502

おばぁさんに出逢った小さな女の子。

お金は渡せないけど、いいことを教えてあげる。

と、おばぁさんは言いました。

目の前には美味しそうな朝食が

並べられました。

おばぁさんが

「ゆっくり食べなさい」と言ったので

女の子は初めて自分の顔が笑顔になったことに

気がつきました。

柔らかくてあたたかいパンにバターが滲みていて

なんとも言えない幸せが体を満たしていくのが

分かりました。

おばぁさんは嬉しそうな顔で

女の子の様子を見ています。

食事が終わると

おばぁさんは紙のコースターを

テーブルに置いて

バッグから そっとペンを取り出しました。

そして

何か文字をコースターに書いています。

書き終わると

「はい」と言って、そのコースターを

女の子に渡されました。

見てみると、そこには

「星に願いを」と書かれています。

女の子が不思議そうな顔をしていると

おばぁさんが言いました。

「今夜、眠る前にそのコースターを

胸に当てて、お星さまにお願いごとを

言ってごらんなさい。きっとどんな夢でも

叶えてくれるから。」

女の子は信じられないと思いましたが

おばぁさんが嘘をついているようには

思えませんでした。

おばぁさんは続いてこう言いました。

「ただし、約束ごとが1つだけあります。

あなたが私にかけた言葉。

please give me money

(お金をちょうだい)

その言葉は絶対に口にしてはダメ。

それが約束出来たら、星たちは

あなたの望みを何だって叶えてくれる。」

女の子は困ったと思いました。

その言葉を伝えて歩かなければ

お金を手にする事は出来ないからです。

でも

おばぁさんの顔を見ていると

その言葉は、言わなくても大丈夫なんだと

思えるような

安心を感じていました。

「ありがとうございます」

女の子は、そう言ってお店を出ました。

1日は始まったばかり。

困ったことは

やっぱり

あの言葉が言えないことです。

でも、今日だけは言わなくていいように

思えました。

長い1日でしたが

お腹が満たされていて、女の子は

いつもよりずっと幸せな気持ちでいました。

おばぁさんからもらった紙のコースターを

何度も胸に当ててみたり

空に向けてかざしてみたりしながら

過ごしました。

やがて日が暮れて家に帰ると

いつものように厳しく叱られましたが

あまり辛いとは感じませんでした。

物置きの部屋に入ると

女の子はポケットから

コースターを取り出して

窓に向かって、こう言いました。

「お星さま、どうか願いを叶えてください。」

窓の外には沢山の星が輝いて見えます。

ワクワクした気持ちで

気がつくと女の子は

眠ってしまっていました。

・・・・・・・・・・・・


つづきは また明日🤗✨



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