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大好きだった場所がなくなるということ

一つのサービスが終わるというのは寂しい。

最近でいえば、ガイアックスのTiny Peace Kitchen(TPK)さんのサービス終了があった。個人的な話をすると、私のガイアックス(GRiD)での色々な記憶にTPKの食事はつきもの。私が東京に住み込みでインターンをしていた当時は私も参加していたTABICAの全体会議にTPKのお弁当がいつもそこにあったから、インターン時代を思い出す時の記憶には全体会議とTPKのお弁当はいつもセット。

「TPKのサービスを終了します」という責任者の荒井さんの文章を読んだ時には正直寂しさを超える気持ちが私の中にあった。一事業を手掛けている私自身、他人事とは思えない。
「次のステップを応援している楽しみだ」という精一杯の応援しか私にはできない。

加えて先週、すごくショッキングなニュースがあった。
京都にある大好きなお店「士心」が閉店するとの話。

私と士心との関係は表面上でいえばアルバイトとして働いていた、というものだけど、私にとってはそれ以上の意味がある。
こころが疲れた時に帰ってくる拠り所であり、野望に向かって全身する為に必要な応援者が集まる場所だった。

士心は烏丸御池にあるレストラン。
建物自体は京都の古い伝統的な町家が特徴的で、店内には西郷隆盛や勝海舟、坂本龍馬などオーナーが大好きな歴史上の著名人の写真が並び、真ん中には囲炉裏を囲めるような場所があり、庭には鹿威し(ししおどし)が「コツーン コツーン」と音を鳴らしてるような。もう文章じゃ伝えきれない!情緒あふれる素敵な場所。

訪れるお客様の9割が訪日旅行者..インバウンドのお客さん。(歴史好きな日本の方もいたが)情緒ある日本の町家の中で世界各国から集まった人たちが和食を食べながら、日本旅行の思い出に話に花を咲かす時間を過ごしている.. 見ていて不思議な光景だった。ある一種の「世界平和」がこの場所で確立されているんじゃないかと錯覚に陥るくらい。

アルバイト面接に行った初日、待っていたのは侍のような格好をしたオーナーのともさん。「面接」という名目だったのに、1時間程ともさんのお話を聞く時間に。古い町家の建物の中に夕方の光が射し込み、地べたに座ってともさんの、彼の野望を聞いた時の心のワクワクは忘れられない。

「戦争は食から始まった」「世界平和を食から、この士心から始めるのだ」という話は鮮明に覚えてる。

自分のエネルギーや野望を正しい方向性に向かって使う、ということをこの瞬間学んだのだと思う。

士心に集まる人達は「生きるパワー」が大きい人たちばかり。周りからは「思いが強いね」と言われる私だけど、そんな私も自身が中途半端な気持ちでいる時には後ろめたい気持ちになることもあるくらいに。野望を掲げてそれに対してまっすぐ打ち込む人たちがたくさんだった。多分世間では「変わってるね」と言われるような人たち。みんな自分の弱みをさらけ出せる場所が士心だったのだと思う。
「士心の仲間がいるから大丈夫。」とか「疲れた時には士心に帰りたい。」そういう思いが心の底にずっとあった。

優しい場所。無意識に心の拠り所としていた、大好きな場所。

もちろん士心に集うコミュニティーはずっと残り続けるだろう。Facebookのグループがあるのだけど、オーナーが閉店の事を伝える投稿に対してもみんなからのコメントが集まっていた。人がいること、思いがそこにあることも思うと、時代が悪かっただけで、形を変えてでもまたサービスは立ち上がるだろうと思うな。

私自身も、持ち場を守るために、喝入れて頑張ろうと思う。

素敵な場所と出会いをありがとうございました。
士心の皆さんに会いたいな。ともさんに会いたいな。


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