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野生の思考を取り戻せ


「冬の軽井沢の森」

非合理なアートというものを合理の世界で価値を高めることは出来ても、合理で作るアートは人の心を打たない。

生身の人間の非合理を社会が作り上げた合理では動かせないから。

例えば私にとって、なぜ「花」なんだ?という疑問はずっとあり、その探究はいまだ続いている。

そんな中で出会った、レヴィ=ストロースによる自然界の構造は衝撃だった。

原題は「La Pensée sauvage」。野蛮の思考?!と、そのタイトルを見て興味を引かれたのが、レヴィ=ストロース「野生の思考」でした。

私が今まで抱いてきた強固な概念を壊してくれそう!と飛びついたが、ちょっと難しすぎました。。

要約している書物を見つけて読んだけれど、これで納得した気でいたら私は「要約人種」でしかない。

クリエイティブな仕事をする人は、テレビやYouTubeなど手垢のついたものを採用したら、その他大勢に紛れると言ってきたのだから。

自然の中から得られるものは計り知れないと実感しています。

この正月ホリデーに滞在していた軽井沢の森で私は確かに見ましたよ。

わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風をたべ、桃ももいろのうつくしい朝の日光をのむことができます。
 またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗らしゃや、宝石いりのきものに、かわっているのをたびたび見ました。

宮沢賢治

森の散策から帰ってみると、畑からのお裾分けのサツマイモでスイートポテトを作る姪っ子たち。

上手に焼けて、友人宅へ。これぞ野生の思考”ブリコラージュ”という世界。

こうなったら今年こそ、この名著を読破しなければと誓ったのでした。

「野生の思考」で人間らしさを取り戻し、そこから何か新しいものが始まるのではないかな。

それをこちらでみなさんと共有できるように頑張ります。

今年最初の「文学と一花一葉講座」は、樋口一葉たけくらべです。


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