輪読#51, 感想戦#2
どーも。だいちです。いよいよ梅雨が始まったって感じで、じめじめしますね。さて、昨日私が担当の雑誌会がありその雑誌会が始まる前に予習という形で輪読を、本日感想戦を行いました。
論文はこちら
Hot Carrier Dynamics in Perovskite Nanocrystal Solids: Role of the
Cold Carriers, Nanoconfinement, and the Surface (Nano Lett. 2020, 20, 4, 2271–2278.)
ペロブスカイトのホットキャリア緩和に関する論文です。3パルスを用いた、pump-push-probe法でホットキャリアの緩和を見ています。1パルス目でPumpをおこない価電子帯の電子を伝導帯に光励起します。2パルス目がprobeで、近赤外光を用いています。3パルス目でバンド端にたまったコールドキャリアを近赤外光で再度励起します。そして、この再励起したキャリア(=ホットキャリア)の緩和過程を追っていている論文です。興味深いことに、この論文が実験をした範囲では、ペロブスカイトのホットキャリアの緩和過程は組成には依存するが、表面状態や粒径には依存しないことが分かりました。CdSeといった他のナノ結晶では表面状態がホットキャリア緩和に影響を与えるのは分かっています。この違いは、ペロブスカイトのポーラロン形成によるものと考察しています。
なぜ、ペロブスカイトは他のナノ結晶と違うのか?本質的に何が効いているのか?まだまだ興味が尽きない材料だと改めて認識しました。
では。
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