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「ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)」

ゴダールが、彼らしく世を去ってから1年。
彼の”映画史“を106分にコンパクトにまとめたドキュメンタリー。
1960年の長編一作目であり、ヌーヴェル・ヴァーグ時代の到来を告げた「勝手にしやがれ」。中国文化大革命の影響を受け、それを称賛してるのか、茶化しているのか、ファッションとして描いているのかよくわからない(実際、中国からは、非難された)1967年の「中国女」を皮切りに、パリ五月革命を経て、集団で政治映画を取り出す「ジガ・ヴェルトフ集団」時代。1971年に生死をさまよう交通事故にあい、また、政治映画活動挫折後、彼の生誕の地に近いスイス レマン湖畔ほとりの村に居を構え、視聴覚研究所「ソニマージュ」(ソン=音、イマージュ=映像)を創設し、いち早くビデオを撮り入れるとともに
独自の音響を加えることで、映画が音楽的になった時代。1980年の「勝手に逃げろ/人生」そして、「パッション」「カルメンという名の女」と続く商業路線。そして495本の映画と148冊の書籍の断片の引用による1988年の全8巻のビデオ作品「ゴダールの映画史」まで、
エポックメイキングな作品を軸に4章に分けてわかりやすく描かれます。
そして、それぞれの時代のパートナーであったアンナ・カリーナ、アンヌ・ヴィアゼムスキー、アンヌ=マリー・ミエヴィルの“役割”も描かれ、時代、パートナーに影響を受け、助けられ、彼の作品の変遷がよくわかりました。

彼の没後にかなり多くの作品を見たので、このドキュメンタリーでだいぶ彼の歴史の輪郭が見えてきて、やっとスタート時点に立った感じです。
下記、最近観た作品は以下の通り。
「勝手にしやがれ」1960年
「小さな兵隊」1960年(1963年公開)
「女は女である」1961年
「女と男のいる舗道」1962年
「軽蔑」1963年
「はなればなれ」1964年
「アルファヴィル」1965年
「気狂いピエロ」1965年
「男性・女性」1966年
「メイド・イン・USA」1966年
「彼女について私が知っている二、三の事柄」1967年
「中国女」1967年
「ウイークエンド」1967年
「たのしい知識」1968年
「ありきたりの映画」1968年
「ワン・プラス・ワン」1968年
「東風」1970年
「万事快調」1972年
「勝手に逃げろ/人生」1980年
「パッション」1982年
「カルメンという名の女」1983年
「こんにちは マリア」1985年
「ゴダールの探偵」1985年
「右側に気をつけろ」1987年
「ゴダールの決別」1983年
「アワーミュージック」2004年
「さらば愛の言葉よ」2014年
「イメージの本」2018年

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