見出し画像

【カリブ海とアフリカの移民から読み解くUKジャズのムーブメント】~青山学院大学 英米文学科「イギリス文化特講」

今日は、青学で行われたオープン講義に参加。 
大学のキャンパスはいいですね。
 数年前から気になっていたUK Jazz。今回の講師は、「Jazz The New Chapter」という冊子とCDそして多くの記事の投稿で、最新型ジャズを紹介している柳樂光隆さん。
奴隷としてアメリカに連れてこられた黒人やクレオ―ルによりニューオリンズで生まれたJazzが、カリブやアフリカから移民として、英国に渡ってきた黒人たちにより、
どのように独自の発展を遂げたが、大英帝国による植民地時代から、現在まで、音楽のムーブメントの変遷とともに語られる大変わかりやすい内容の講義でした。
僕が中学生の時、音やファッションだけでなく、そのアティテュードにも夢中になったイギリスのパンク/ニュー・ウエーブ。そんな労働者階級の白人中心のムーブメントのそばには、いつも黒人がおり、音楽的にもレゲエやダブの影響を大いに受けていましたので、その背景をずっと知りたいと思っていましたし、足げく通ったロンドンはポートベローのフリーマーケットの先には、元ブラーのデーモン・アルバーンも共同経営者として名を連ねるレコード・ショップ「Honest Jons」があり、ジャズだけでなく、アフリカやカリブ海の音楽を多くリリースしており、偶々その界隈を歩いていた時に、遭遇したのがカリブやアフリカの音楽を奏でるチームが、街を練り歩き、いたるところにレゲエのサウンド・システムが設置されていたカリビアン・カーニバル。
そこで、この地区が、昔からカリブやアフリカからの移民が生活する街であることを知ることになります。
そして、そんな移民の音楽は、レゲエ、アシッド・ジャズそしてUKジャズと発展して行くわけですが、特に近年は、アシッドジャズ期のミュージシャンGary Crosbyが、1991年にTomorrow’s Warriorsを設立し、2010年ごろには子供や若者に無償でジャズ教育を行うNPOへと進化。今やシーンの中心人物たちはほぼここの卒業生で占められています。イギリスでは、最近、イギリスの有名な音楽賞マーキュリープライズで、ジャズとして初めてEzra Collectiveが選ばれ、同じくこのムーブメントの中心人物Shabaka Hutchingsは、ジャズの本場アメリカのNYウインターフェスのキュレーターを務めるなど、そろそろUK Jazzが世界的に注目を集めそうな予感です。
Ezra,ShabakaそしてNubya GarciaらTomorrow’s Warriors で学んだUKジャズの中心人物に加え、彼らの作品を自らのレーベルからリリースしたGilles Petersonも最近来日したので、今年はUK Jazz in Japanの年になりました。
今回の講義はスライドにまとめられ、カリビアン・カーニバルの映像や沢山の音源も聴けるので、ぜひ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?