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Damon &Naoki with Kurihara Japan tour 2024

Damon&Naomiは
90年代にNirvana らによるグランジの隆盛への反発として、生まれた暗いメロディと歌詞、抑制の効いたスローテンポのリズムにミニマルなアレンジのスローコア、サッドコアとも呼ばれた音楽スタイルのバンドに大きな影響を与えたバンドのひとつGalaxie500が前身。

彼等の音楽を聴くとテクノロジーの発達によりどんどん情報を処理して行かねばならない日常と全く違う時間の経過を忘れさせてくれる緩やかで穏やかな酩酊感を感じられ、もっと深くかつフラットに物事を捉え、考えなきゃいけないと思わせてくれます。
そんな彼等の公演はコロナ直前の2019年以来なので5年振りの来日。
彼等は世界中の”悲しい歌”を集めた「International Sad Hits」というコンピレーション(日本からは三上寛、友川かずき参加)も制作しているくらいで、

その深く沈み込んだ情感を帯びた楽曲は素晴らしいのですが、長くレコーディングやツアーに参加しているギターの栗原ミチオさんが今回のライブも参加。彼のサイケデリックに日本的抒情と幽玄さが加わった絶品の演奏がより我々を彼岸に連れて行ってくれます。


Damonはユダヤ系ポーランド人の家系で
第二次世界大戦中、リトアニア・カウナス日本領事館の杉原千畝領事代理によって、ナチス・ドイツの迫害から逃れるユダヤ人難民に発給された「いのちのビザ」に救われ、日本に滞在後、アメリカへ、Naomiの家系はに中国で日本侵略から逃れるために香港、イギリス経由でアメリカに渡り、両家はニューヨークで近所に住んでいたというのが2人の出会いだそうで、そんな日本とは正反対の”縁”のある彼等が日本の聴衆の前で歌い演奏する場にまた立ち会えた事に感謝したい気持ちになります。
彼等は音楽だけでなく、詩作、写真そして出版などその表現の領域を広げていますが、2人ともハーバードの出身だと気付きました。

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