見出し画像

Nik Bärtsch's RONIN At Baroom (2024.07.13)

昨日は、「沈黙の次に美しい音」をコンセプトとしている名門レーベル「ECM」から多くのリリースがあるスイス人ピアニストNik BärtschがリードするバンドRONINのライブでした。
会場は、渋谷と六本木のちょうど間にあるBAROOM。近くにはBlue Noteもあります。BluevNote も良いミュージシャンが来ますが、高級社交場レストラン見たいの
ところもあるので、一部のお客さんは演奏聴きに来てないし、一生懸命注文を取ろうとするバイトのウエイター、ウエイトレスさんも目に入ることを考えると、サーカス小屋のような親密な空間で、音も良く、Blue Noteの半分くらいの価格で見れるBAROOMの方が気に入っています。
話は戻って、Nik Bärtsch's RONIN 。Nik自身,「禅ファンク」「リチュアル(儀式的=本人曰く、連続して集中しやるというイメージらしい)グルーヴ・ミュージック」と自らの音楽を呼ぶそうで、ジャズ、ファンク、クラシック、ミニマル・ミュージックの要素を垣間見せてくれます。ジャズの範疇にはいるミュージシャン達ですが、スイングの横の揺らぎはなく、ミニマルなピアノとドラムのパーカッシブな縦ノリにベースやサックスのメロディが絡んでくるサウンド。テクノを人力でやっているような音は、ECMの中でも異質で、昔から、未来の音楽を作ろうとする意気込みが感じら好きなバンドでした。
RONINとはもちろん「浪人」のことで、宮本武蔵とか、与えられた自由に対してちゃんと責任を持って行動する人というイメージらしく、Nikも合気道をやったり、能の音楽を研究
しているようで、日本の伝統音楽の特徴として「パーカッシブ」と「間」を上げています。確かに能のつつみなんて、絶妙のタイミングで一音だけ鳴らせ、それが空間を包みこむように響きます。
かといって、彼が捉えるのは、日本の精神や伝統音楽の構造、そしてコンセプトであるので、決して日本の民族の土着的な感触があるわけではなく、パーカッシブで連続的、ミニマルな音楽。それが、生の演奏で徐々熱が帯びてくるそのスリリングさは鳥肌ものでした。東京は2回公演でしたが、両方見ればよかった後悔。Kaspar Rastというドラマーの演奏が特に素晴らしく、ずっと聴いていたかったです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?