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ないものねだり

3月まで通い、住んでいた街は、
孤独で一早く抜け出したかった。

誰もいない家に帰るのも、
疲れ果てた顔をした人たちと乗る満員電車も
電車の時間に左右され生活していた日々も
嫌で嫌で仕方なかった。

しかし、新生活が始まり
3ヶ月が経とうとしている今、
色あせた日常が場所と共に思い出を輝かせる。

毎日のように通ったあの道も
語り合ったあの公園も
出会いと幸せが溢れたあのBARも
悔しい想いを噛み締めたあのホームも

私にとっては帰ることの出来ない時間と場所

いつだって目の前のことに悩み、
幸せな状況に気付くことが出来ない。

辛い思い出も
抜け出したいあの場所も
何年後には恋しくなっているのかもしれない。

あの幸せだった時間に戻りたい。
輝き出したた、今だから。

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