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急性期病院はケアがなってない。

「急性期でずっと働けるなんてすごいー」

自分ですらなにも疑うことなく発していたこの言葉。
どうして急性期で働けることがすごいのか?
急性期で働き続けて7年。
今思うとなにもすごくないよね、というのが本音です。それは今現在身を粉にして働いてる人には悪いけど、、というか身を粉にして働いている人たちが自分を偉いと思っているからこそ作られてしまう風潮なんじゃないかと思うんです。


ひとつ。急性期病院はケアがなってない!!!

そう思うのはわたしだけでしょうか?
いや、きっとそうじゃないはず。そして、それを「そうそう」と思えない人たち、「いや、うちの病院はそうじゃない」といえる人たちは、他を知ってますかね?どうせそこの病院でずっとやってきてる人なんじゃないですか?

基本的に、その病院でしか、その職場でしかキャリアを積んできてない人に、わたしは何もわからないだろうなと思っています。だって、自分が働いている場所ですら客観視する機会がないのだから。
所詮人間は、環境を変えずに流されていくのが一番楽なんだから。
別の病院を一つでも知っているひとからすると、比較対象が生まれます。
比較対象は、友人が勤めている病院だといったって、そこで実際に自分が経験して、委員会やグループ活動などもして、日々の業務の切迫感も感じて、ずっとそこでやっていくかという判断も自分の責任であるという状況とはまるで違うのです。


急性期病院では、基本的に治療が優先であり、いろんなADLの患者が入院します。寝たきり患者もいれば、薬の管理まで完全に自立している若い人もいる。そうかと思えば、中年ですが薬の管理は自分でできない人、病状によりどんどん歩行状態が不安定になる人、いつの間にかおむつを常用している人など、清潔ケアについてもまちまちです。

ケアが行き届くには、清潔に対してしっかり目を向けて、関わる日々の看護師が毎日声をかける必要があります。

急性期病院では、それができていない人が多すぎる、ということです。

文句をいおうとする人、じゃあそれができているといえますか?
できていると豪語するからには、
・爪が伸びていないか
・ひげが伸びていないか
・口腔ケアは毎勤務帯行っているか、清潔を保てているか
・髪の毛は散らばっていないか、逆立っていないか(臥床時間が増えると髪の毛が逆立ちます)
・シーツはしわくちゃでないか、汚れていないか
・環境は整えられているか、看護者のやりやすいように、時間がないからといって粗雑にしていないか
その点がすべてにおいてできていると判断できているわけですね。
日々変化していく患者さんのニーズに、不足なく応えられていたということですか?私の知る限り、そのような看護師は一人もいないと思うのです。

何を隠そう、わたしはこれができていませんでした。

でもこれは、面会にきた患者家族が一番に目にするところだと思うんです。
机上の空論をいってるわけではありません。
わかりきった、環境整備、清潔ケアを充実させろとかそういうことを言いたいわけではありません。

これが事実だといいたいのです。

私が思う「看護」ということは、点滴や輸血を交換したり、採血をしたりすることだけをするロボットのことではありません。わたしはそれを目指して看護科を卒業したわけではありません。

治療中の患者さんが、あの閉塞感の中でどれだけ人間らしい生活ができるかは看護師にかかっていると思うのに、、、

急性期病院では、それができない環境にしていることが多すぎる。
むしろ、それを怠ってもいいから、ピストンで患者を入退院させたり、ベッドコントロールが命、稼働率を上げるのが命、という観念は違いすぎると思ったのです。
そうじゃない。みんなで、ケアができていない事実を受け入れ、個人の責任にするのではなくみんなで抜けを拾えるシステムを作るべき。それは治療と並行し、優先度をつけていいものじゃない。



要は、急性期病院で四苦八苦、日々忙殺されている看護師さんは、組織の被害者であるという感覚がわたしにはあるということ。
そして、その自分たちの事実を客観視できている人はどれだけいるのかなという疑問。

わたしがもし今の状態でまた2次救急、3次救急の現場に戻れば同じような葛藤で数年後には退職しているでしょう。
それがいけないことだとは思わないし、それもまた自分の経験になるとは思うけど、もうそういう現場でジレンマにいらいらさせられてしまうのはこりごりだ、と思うのです。


言葉が乱暴すぎた・・・。
それだけ前の病院での違和感がとても強かったということです。

偉そうにしてる人ほど、患者の細部までケアをしていない。点滴交換しかしてないで、患者のひげは生えっぱなし。

それで「急性期病院で働くことがすごいね」なんていえるのは、現場の何を見てるのか?という話です。

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