マジカルミライ2022感想 後編
前編の最後で話しましたが、マジカルミライ2022の出来は100%で間違いないのですが、同時に「もっと行けるやろ！」と感じました（炎上待ったなし）。何故そう感じたかを少しずつ話していきます。
まずは公式HPからコンセプトを引用します。
『初音ミク「マジカルミライ」』は、初音ミクたちバーチャル・シンガーの3DCGライブと、創作の楽しさを体感できる企画展を併催したイベントです。
創ることを楽しむ、作品を楽しむ、クリエイターを応援する、同じキャラクター・作品・クリエイターが好きな同志と出逢う、新たな技術やコラボレーション企画と出逢う、など“初音ミクたちをハブ（きっかけ）として、「創作」というキーワードで繋がる場所、その楽しさを体感できる場所”を目指して展開いたします。
「初音ミク」を中心として、「鏡音リン」「鏡音レン」「巡音ルカ」「MEIKO」「KAITO」らがイベントを盛り立てます。
この文面からは、「バーチャル・シンガーの3DCGライブ」という以外に制約は無いはずですが、この文言には「バーチャル世界のシンガー達が人間界に降りてライブをしてくれるイベント」という意味が込められていると思います。
ここで重要なのは、「バーチャル・シンガーは極力人間らしく振る舞う必要がある」ということです。だから台詞パートもあるし、ダンサーの動きをモーションキャプチャーした踊りになっているわけです。
しかし、マジカルミライのライブでは、ここが拡張解釈され「人間が可能なライブの形式にはめ込む」ことが優先されているように感じられました。具体的には、
・１曲歌ったら消え去り、衣装替えっぽい時間があって再登場する
・バンドの人と一緒にギターをかき鳴らす
などの演出を指します。
「人間が可能なライブにバーチャル・シンガーが混じる」という「天孫降臨イベント」としてマジカルミライを捉えるならば、今回のマジカルミライは100%の出来だと思います。ですが、
「バーチャル世界というのはもっと自由で良いのではないか？」
ということです。バーチャル・シンガーが人間界に合わせる必要は果たしてあるのか？という話です。
いくつか思いついた例を上げていきます。
背景に映像を付ける
「見えにくくなる」という話はあるが、プログラムされているのでスポットライトの連動などは可能歌詞に紐づけた3Dエフェクト
これは複数の振り付けで行われていたが、もっとマシマシでも良い0秒衣装替え
これは実際に「愛されなくても君がいる」で行われた楽器や衣装に映像を乗せる
ゲーミング楽器とかゲーミング衣装とか。曲の展開に合わせて衣装の一部の色が変わるのもアツいかも色合いを自由に変える
バーチャル・シンガー自体の色合いをモノクロにしたりセピアにしたりビビッドにしたり重力に縛られない
急に浮かび上がれる、天井を歩ける
重力が逆さまな二人で協力するダンスとか見たい大きさを可変にする
巨大にしたりちっちゃくしたりできる瞬間移動
左右のスクリーンに実際にキャラが移動するステージ自体を動かす
『on the rock』の時にステージを回転させて360°映す
（現実ではピアノ重すぎて大変だけど、バーチャルならカメラ移動のみで大丈夫）同一人物を複数人出す
鏡合わせのキャラのダンスが途中からズレ出す
歴代の衣装を全員出演させる（これに関しては同一性が失われないように、１人動き出したら１人止まってフィギュアっぽくなるとか）
ここまで書き出して、何を想定しているか勘付く人もいるのではないでしょうか。そうです。「ニコニコ超パーティーのVOCALOIDライブ」です。
多分指摘した点大体網羅されていると思います。このクオリティが7年前に確立されていたというのは恐ろしいことです。
ニコニコ超パーティーのボカロライブ自体は2018まで開催されていましたが、2019から無期限停止になり、運営がボカコレに移ったという経緯があるそうです。
（最近のボカコレは投稿者祭という側面で賑わいをみせており、人間とボカロが融合した「MIKU BREAK」というステージも開かれています。）
つまり、「当時の超パーティーのスタッフ陣がマジカルミライとタッグを組めば相当なクオリティアップが見込めるのでは？」ということです。
もちろん権利的な問題も大きいと思いますが、そこを乗り越えてパワーアップしたマジカルミライが見たい！！という話でした。
後編と言いつつもうちょっとだけ続きます。
（補足）
ライブ感を全面に押し出すのであれば、「曲中にアオリの台詞がある」「中間にMCがある」「歌うメロディーに少しアレンジが入る」なども欲しかったな～～と思いました。