数学ダージリン

ぬは町1番の高級スーパーで数学ダージリンを買ってから学校に来る。

僕は町1番の庶民スーパーで算数オーレンジを買ってから学校に行く。

ぬは県1番の頭脳でどんな難題であっても必ず答えを導きだす。

僕は県1番の大きさの頭脳でどんな難題であっても必ず答えを砕ききる。

それに

ぬは国1番の美貌であらゆる生物をダーリンにしてしまう。

僕は国1番の美容であらゆる生物をダージリンにしてみようとしている。

ダーリン+ジ=ダージリンになることはわかっているが、この答えに導ける美容がなにかわからない。

ぬが持っているものを僕は何一つ持っていない。

ぬができることを僕ができることなんてない。

僕が数学ダージリンを無理して飲んだって、あの複雑な味わいを理解なんてできない。

僕にはまだ算数オーレンジが喉に馴染む。

だけどいつかは数学ダージリンを堪能できるようになりたいと密かに夢を見ている。

そしていつかは数学ダージリンを飲んだぬの喉元を堪能したいと密かに夢を見ている。

ごく

#毎週ショートショートnote
#数学ダージリン

ここまで読んでいただきありがとうございます。