はじまりは、罪悪感。

お菓子屋さんがやりたい。

アレルギーを持っている子も笑顔になれるお菓子屋さんを。


私の娘は、卵アレルギーでした。
完治したわけではないのですが(完治という概念はないそうです)
今では固ゆでの卵を体調の良い日でしたら半分まで食べられるようになりました。

娘の引っかかったアレルゲンはオボムコイド。

このオボムコイドがまた厄介で、熱や消化酵素の影響を受けにくく、アレルギーを引き起こす性質を失わない『耐熱性卵白』なんです。

卵白にアレルギーがある人でも、この『オボムコイド』に対してアレルギーを持っていなければ、固ゆで卵や卵の加熱加工した食品を口にしても、アレルギーを起こす可能性が低いのです。

つまりどういうことかと言いますと、娘はどんなに加熱した卵であっても、アレルギー症状が起こるということです。

加熱しても食べられないとなると、普段の食事はもちろん、お楽しみのお菓子に困りました。
プリンはもちろん、ケーキやクッキー、ドーナツ…。
子どもの好きなお菓子たちには殆ど卵が含まれていました。

アレルギーとわかる前に『なんか赤くプツプツしてるね~。』なんて呑気に与えていた時期もあったので、急に食べられなくなった娘の
『なんで?』に何度も苦しい気持ちになりました。
娘も食べられる、美味しいお菓子を探すのにも苦労しました。

娘に卵アレルギーがあると分かったときの絶望感。
大げさに聞こえるかもしれませんが、頭真っ白の目の前真っ暗。

世の中こんなに美味しいモノがあふれているのに……。

絶望感とともに娘に対する罪悪感。
健康な体に産んであげられなくてごめんね。
なんど謝ったことか・・・。
どんなに周りから『あなたのせいではない』と言われても
はい。そうですね。とは受け入れられず、悲しい気持ちはなかなかぬぐえません。


今となっては少しづつ慣らしていったので、体調が悪くなく、固ゆで卵であれば、半分までなら食べてもアレルギー症状を起こさなくなりました。


娘のようにアレルギーのせいでお菓子を食べられない子はまだまだたくさんいます。

また、卵を使わないお菓子やケーキを探すのに苦労したこと
アレルギーをもった体で産んでしまったことへの罪悪感

これはきっと私だけじゃなくて、もっとたくさんのお母さん・お父さんが経験しているはず…。


そんな人たちが少しでも笑顔に。
アレルギーがある子もない子も、一緒に同じものを食べて
『美味しいね』
って笑顔になってもらいたい。
お母さんの悲しい気持ちを少しでも軽くしたい。

そんな想いから、私は

『卵を使わない』お菓子屋さんがやりたい。




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