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Merry Christmas!

皆様、良い日をお過ごしでしょうか?今年はコロナが深刻な世情で、一日も早く収束を迎えられますように、本当に本当に、祈るばかりです。

クリスマスと言えば「キリスト教の教会」をイメージしますが、クラシック音楽はキリスト教のミサなどに使うためのもの、"神に捧げる音"としてその歴史を始めました。

4声体、コラールは「音楽理論の基礎となる響きの扱い」を説いてくれるものですが、これは西洋建築の構造に関わる、西洋音楽の大きな特徴を持っています。日本の音楽には無いこの個性は、石造りで密閉性が高く、硬い壁に当たった音が逃げ場無く響き続ける、西洋建築の特徴を活かして創られてきた西洋音楽の真骨頂です。音の響きの残響時間が長いことによって、まだ残っている響きに次の音を被せてハモらせる表現方法が可能となったわけですね。

複旋律ポリフォニーの誕生です。

一方、日本家屋の特徴である、紙、木、土、で造られた空間は、建物内部に残響は殆どありません。それは、アジアの湿度に対応した通気性の良い建物であるためです。そのような建物内では、音の減衰がとても速くて、残響に次の音を被せる奏法など不可能です。

結果、アジア音楽は、単旋律を横に転がすモノフォニーですね。

このように、建物と音楽の関係は密接で、様々な国の民族音楽も、それぞれその土地の風土に適応させた建物や、地域の特性を活かした労働から創り出されました。

音楽は常に、人々の暮らしに根ざしてきました。太古の時代は、遠くにいる相手への通信手段として用いられたり、呪術や宗教的儀式に使われたものや、仕事や作業の士気を高める為に用いられたもの等々ですが、それらはいつも人の生活に密着したものです。

日本人の奏でるクラシックは、「一生懸命に西洋に成り切る技量」ではなく、「アジアの個性と西洋音楽との融合」を目指したいところです。食べ物も違う、住んでいる町並みも、風土も習慣も異なる私たちが、西洋音楽とどう向き合うか。鉄壁な様式美で常に未熟者を圧倒する"絶対的な音楽"にひれ伏すのではなく、異文化の私たちが違いを楽しむ"対等な小宇宙"ではないかと・・・筆者の個人的な思いです(笑)

いつもお読み頂き、ありがとうございます。時節柄、お身体大切に。メリークリスマス!!

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