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鍵盤は、自分仕様の打点で。

今日は、「アルペジオの弾き方」についてのお話です。

アルペジオは「和音を分散して弾いた状態」ですが、これはロマン派を中心に、響きの”動きやうねり”を表したいとき等、ダイナミックでゴージャスな表現としてよく使われる華やかなテクニックですね。

アルペジオの弾き方は、次のように行います。

まず、アルペジオを和音として押さえます。その指1本1本の打点を覚えておいて、またアルペジオに戻して弾きます。

打点は大変大事です。打点が悪いとアルペジオは弾けるようになりません。奏者にとって一番良い適切な打点は、和音として押さえた時の、その人仕様の指の場所です。鍵盤の良い打点は、奏者の指の長さによっておのずと決まります。

中指はおそらく誰でも一番長いので、中指の打点は限りなく鍵盤の奥の方になるでしょう。鍵盤の奥を弾いて、鍵盤の手前と同じレベルの音色を出すのには大変高度な技術が必要ですが、アルペジオを自在に弾くためには、鍵盤の打点に対する先入観を捨てることが必要です。

黒鍵奏法とアルペジオの攻略には「鍵盤奥の打点がどのくらい有効に使えるか」にかかっています。弾くのには一番易しい鍵盤の手前の方だけでなく、何処を弾いても極上の音色が出せるようになれば良いですね。奥の方も大いに弾きこなしましょう!

またアルペジオは、奏者が、フレーズを塊として音の進行方向を先取っていないと巧く弾けません。ワンフレーズをひとかたまりとして、手の甲の向きで先導していく感覚です。その際、音一つ一つを決して追わないように「音の塊」として捉えてみて下さい。

以前お話しした事ですが、手のひらの中心点を鍵盤の外に置くぐらいの気持ちで、斜めベクトル引っ張り手のひらの筋肉を最大限に活用するのも忘れないで下さい。そして親指の使い方も重要です。両手親指の関節2つが、弾き手の重心をしっかりと支えた強靱な状態でないと、演奏全体は勿論ですが、特にアルペジオは、潰れた親指関節ではとても弾きにくいと思います。

広範囲の鍵盤を縦横無尽に渡り歩く躍動感、自分仕様の打点で創って下さいね!(笑) 

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