見出し画像

新しい"手"段

今日は「手」についてのお話をしたいと思います。ピアノを弾く上で、手は"手以上の存在"(?)です。そこで、普段の生活の中ではどのような事に注意を払えば良いのかを、ちょっと考えてみました。

まず、本番演奏を控えた場合だけではなく日頃の練習時もそうですが、「弾く前に手を水やお湯で洗うこと」は絶対NGですね。事前練習で確かめた指先の状態を完全に洗い流してしまい、指先のコンタクトがリセットされてしまいます。普段の練習時でも、トイレに入っても手を洗えないぐらい実は深刻な問題?!です。水に濡らしてしまうと休憩前の指の状態が完全に消え去ってしまうので、そのロスを加味した練習時間を考えなくてはなりません。

水で洗い流された指先の感覚は、1時間近く弾き続けないと回復しません。そのため、どうしても手が水で濡れてしまうような場合には、手袋着用の完全防備をお勧めします。

それから、「爪の切り具合」はとても大事な問題ですね。その時抱えている曲によって、奏者は爪の長さを若干変えたりします。例えば、広範囲のハードな音列ばかりの曲であれば、指先にいつもより引っ張った状態で力が加わり、爪と指先の肉との間が開いてしまうので、特に小指の爪は長めに切っておきます。回復するまでは、痛みをこらえての地獄練習?!になっちゃいますね(笑)

その他にも、生活の雑事は必ず手袋着用で、指先に負担をかける事はしないギュッと握りしめるのもダメです。この"握りしめる動作"は、スポーツなどでもよく起こりますが(鉄棒やバーを握る、ラケットを握る、クラブを持つ等々)、ピアノに必要な動きを阻害しますのでNGです。残念ながらプロフェッショナルを目指すならば、ピアノとは両立出来ません。

もうひとつ大事な事は、例えばマッサージのような、指関節を逆方向に押し潰して使う動作もダメです。これは致命的です。ご両親や祖父母さんにやって差し上げたいかもしれませんが・・・。

そこは、何か別の手段を使って、コミュニケーションを図って下さいね。今までの生活様式に工夫を凝らした、コロナ禍での新しいスタイルにも共通することですね。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?