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楽譜は"地球語"

新年明けましておめでとうございます。昨年はお世話になりました。今年もどうぞ宜しくお願い致します。国内は、連日コロナで深刻な状況が続きますが、皆様どうぞご健康に守られますように。心よりお祈りしております。

今年の初回は「楽曲のアナリーゼ」に関わるお話です。

楽曲の作曲者は、創作をするにあたり、まず、使用する和音構成に独自色を発揮してこだわりのチョイスをしています。その、響きを成す音の配列を創る作業は、新しい人工言語の構築にも似ているでしょうか。楽譜の記譜法は万国共通ですから、まさに"地球語"ですね。

作曲家は、今まで聴いたことのある全ての曲、今しきりに頭の中で鳴っているフレーズなどを、一度全部追い出して真っ白に頭をリセットしないと制作に取りかかれません。誰かのものに図らずとも似てしまう様なことを避け、自分独自の言葉で喋らなくてはならないからです。

片や、演奏するということは、繰り返し繰り返し、作曲者独自の音列パターンを頭に叩き込み、作曲者の意図を理解した演奏者の解釈で、それを聴き手に伝えようとする行為です。

演奏と作曲、叩き込むのか、空っぽにするのか、もう同時にやれない~!!!って感じですね(笑)

楽曲はそれぞれ、作曲家ひとりひとり違う和音チョイスですから、もし、ピアノ公演などで色々な作曲家のプログラムを一度に弾くとなると、奏者は"何カ国語"も同時に操らなくてはなりません。更に、時代によってピアノ奏法は違うので、幾通りもの演奏方法を弾き分ける必要があります。

この「作曲家独自の音列パターン」を、初見時に何小節か譜読みした段階で解析出来るようになると、暗譜と譜読みが同時に出来上がります。楽曲の成り立ち(アナリーゼ=和声分析)を深く理解出来れば、瞬間瞬間の演奏座標軸を見失わずに済みます。

楽曲の理解や音楽史的背景の洞察をさらに深めると、譜読みが俄然面白くなりますね。


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