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練習では音楽が出来ない、え~っ!?

今回は、具体的な練習内容の話をしてみたいと思います。日頃の練習内容は、効率よく上達を望めるどうかの鍵を握っています。一定の絶対練習量はもちろん欠かせませんが、それだけではうまくなりません。練習に費やした時間の長さは言うまでもなく、それ以上に練習内容の質が問われます。

練習時間3時間の場合は、フィンガートレーニング(=F)2時間と、色々な曲中の超絶フレーズだけをピックアップしたフィンガートレーニング(=成果チェック)1時間。この所要時間だと、曲を通しての練習(=曲)入りません

練習時間4時間は、2時間(F)と、(成果チェック)1時間(曲)1時間

練習時間5時間は、2時間(F)と、(成果チェック)1時間(曲)2時間

練習時間6時間、7時間、8時間となっていっても、(F)と(成果チェック)には同じだけ時間を割き、逆に短い練習時間の時には(F)や(成果チェック)だけで終わることとなります。ここは重要なポイントですね。

曲の通し稽古をいくらやっても、演奏技術の中のフィンガーテクニックを要する部分は上達しません。それは、”練習者が音楽を楽しんでいる時間”だからです。 

技術向上のための練習は「訓練」です。練習者は音楽に悦に入っている場合ではありません。訓練とは、緻密で地道な反復練習と、自分に向けた厳しいチェックで成り立つ世界です。フィンガートレーニングや超絶フレーズのピックアップチェックばかりではいい加減つまらなくなっちゃって、どうしても曲を通したくなると思いますが、それは練習時間がたっぷりあるときの課題です。そこはぐっとこらえて、最短練習の時はほぼカットします。(ちなみに譜読や暗譜は机上でも可能ですが、鍵盤上で譜面を身体に落とし込む作業も必要ですので、新曲の仕込みは長時間を確保してその枠を作って下さい)

フィンガートレーニングの音ひとつひとつが、曲中で実際”使い物になるようなレベル”になれば、コツコツと地味な練習もさほど退屈ではないと思います(笑)

次回は、(F)と(成果チェック)、(曲の通し稽古)について、もう少し具体的にお話ししたいと思います。

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