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プロジェクトを成功させるためのE型マネジメント

この記事は 、#Backlog Advent Calendar 2020 By #JBUG  の12月14日分の記事として執筆しています。
写真は、私が好きな犬島(岡山県)からの眺め。

はじめに

今年12月をもって、勤めていた会社を退職することになりました。来年から新しい会社で働く予定です。


文系未経験でIT業界に足を踏み入れて、最初は右も左もわからない状態でしたが、周囲の方に助けていただいたり鍛えていただいたりして、様々なプロジェクトを経験することができました。自分自身が関わったプロジェクトもあれば、品質改善支援やツール導入という形でお手伝いしたプロジェクトもあります。もちろん成功したところもあれば、失敗したところもたくさんあります(失敗のほうが多いかも)。

いま、改めて振り返ると、「なんか、成功するプロジェクトには同じような特徴があるような気がするね?」と感じることがありますので、この機会にまとめてみたいと思います。

おことわり:
あくまで私の経験と観測範囲に基づくものなので、あてはまらないケースも当然あると思いますし、ここで取り上げた以外の要因も多々あると思います。その点はご了承ください。

成功するプロジェクトの特徴には、「2つのE」があるように思います。

1. 「E型組織」になっている
2.  「遠慮(Enryo)がないプロジェクト」になっている。

特徴1:「E型組織」になっている

一つ目のEは、「E型組織」のEです。
これは、プロジェクトにどういう人がいて、どのような関係性があるかというもの。

・熱意あるリーダー
・素直なエンジニア
・現場を支えてくれる上司
・これら三者が繋がっている。

熱意あるリーダー
成功したプロジェクトには例外なく、熱意を持ってチームを引っ張ったリーダーがいた気がします。最近だと、

・自ら「Backlog警察」をやりながらタスクの交通整理をして、超短期のプロジェクトを見事完遂した人とか
・業務にRPAを導入して、作業時間の短縮やミスの削減をした人とか
・派生開発のやり方を見直して、品質を改善した人とか
・短期開発にもかかわらず、品質データをきちんと取って、定量的な品質管理をした人 などなど

これらの人に共通しているのは、「まだ、周りの評価が定まっていなくても、自分が良いと思ったやり方は積極的に採用する」点だと思います。といっても単なる新しもの好きというわけではなく、問題意識を持っていて、解決方法を日頃から探しているからこそすればよいか考えているからこそ、迷いなく取り組めるのではないかと思います。また、なんでも自分で率先して行い、自然とみんなを巻き込むようなパワーがありますね。

素直なエンジニア
実際にモノを作るエンジニアは、技術力も当然重要なのですが、それ以上に「素直な人」のほうが成功している気がします。素直といっても単なるイエスマンというわけではなくて、

・リーダーやお客さんの話をよく聞き、意図を正しく汲み取る
・いまやるべきことを素直に理解する
・その一方で、わからないことは遠慮せずに質問する
・いまの自分にできることを地道に行う

ようなタイプの人です。
こういう人は、最初は能力や経験が足りなくてもどんどん吸収していき、気がついたらチームに欠かせない戦力になっていたりしますし、数年後にはリーダーを務めていたりします。フォロワーシップがある人は、リーダーシップも発揮できるということなのかもしれません。

現場を支えてくれる上司
いくらリーダーやエンジニアが頑張っても、会社組織で仕事をする以上、上司のサポートがない状態では長続きしません。私の上司だった人には、リーダの私が行き詰まっていたときに、

・取引先の管理職と話をつけてくれる
・必要な知識やスキルを持った人を連れてきてくれる
・他部門に説明して理解をとりつける
・ときには一緒に打開策を考えてくれる

などのサポートをしてくれた方が多く、本当によく助けてもらったと思います。ヒト・モノ・カネに関することはやはり管理職の出番だと思いますので、こういうところで動いてくれる方は頼りになります。
個人的には、上司の最大の役割は「PMやリーダーを孤立させないこと」だと思っています。こちらについては私の尊敬するARIの中野康雄さんがJBUG東京#13で発表されたときのスライドを見ていただいたほうがいいですね!


三者が繋がっている
上司、リーダー、エンジニアがきちんとコミュニケーションできており、アルファベットのEのようになっていることが大切だと思います。日頃からお互いの状況を理解できていないとサポートもできないし、意図を汲み取ることもできませんので。最近だと1on1がよく行われているようですが、意外と日頃の「雑談」が重要な気がします(「ザッソウ」と呼ばれてるようです)。私の場合は給湯室や休憩コーナーでメンバーの思わぬ本音を聴く機会が多かったです。「会議室でなくても話ができる関係」を作っておくことが大事ではないかと思います。

E型組織

ちなみに、「E型組織」というのは私の造語です。とある会社の先輩に、このはなしをしたところ、「なるほど、それは"E型営業"みたいなやつじゃな」と言われたことがあったので、それに倣って名付けたものです(E型営業とは組織トップ、現場リーダー、現場担当者のそれぞれに営業活動をかけるやり方で成約率を高める効果があるそうですが、詳しくはよく知りません)。

特徴2:遠慮がないプロジェクトになっている

二つ目のEは、「遠慮」のEです。
これは、5月22日に開催されたJBUG高知 & kintone Café高知のオンラインイベントでもお話しさせていただきました。
「成功するプロジェクトの特徴と、失敗するプロジェクトの特徴とは?」の問いには、「うーん、遠慮があるかないか、ですかね」と答えました。
遠慮せずに発言することは、最初は物議を醸したり一時的にギクシャクすることも多かったですが、最終的にはよい方向に進んだことが多いように思います(上司や周囲の人にも恵まれていたのだと思いますが)。
ただ、それで相手にされるかどうかはそれまでの貢献度合いとかそのときの信頼関係にもよるので、遠慮しなくてよい関係を予め作れているかどうかが大切なのだと思います。実際は、うまく関係を作れず遠慮せざるを得なかったことも多かったので。


さいごに

書き終えて読み直してみると、「う〜ん、当たり前のことばかりだな」という気もします(プロジェクト管理や品質管理の話は、いくら工夫して書いても最後は普遍的な内容になる気がします)。
でも、この「当たり前」を守ることって案外難しいと思うんです(でなければ、みんなこんなにプロジェクトマネジメントで困っていないはず)。プロジェクトをやっていると様々な外乱とか制約があったりするわけなので、そういった困難がたくさんある中で、いかに「当たり前」を維持していくのかが、マネジメントというものではないかと思います。

テレワーク

ただ、最近はコロナ渦の影響もあって、プロジェクト関係者どおしで信頼関係を築くことがだんだん難しくなっている気もします(実際、テレワーク中に人とは雑談とかアドバイスがやりづらくなってきてますし)。来年からの新しい仕事では、こういった課題を解決することに少しでも貢献できれば、と思っています。


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