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6月6日~6月12日 一週間日記


●6月6日 一時帰阪
 朝から居候先のねぐらを片付けて昼過ぎには武蔵新城を出る。武蔵小杉から新横浜へ。新横浜の家電量販店で妻への誕生日プレゼントを購入、さらに天むす好きの妻の為に天むすを購入して新幹線に乗り込む。前週の一週間日記を書いていたら新幹線時間は瞬く間に過ぎる。大阪の居候先、妻宅へ着くと、妻は仕事であったので、ちゃぶ台にプレゼントをいくつかと書き記しておいた手紙を配置し、妻を待つ。妻は帰ってくると驚いていた。喜んでもいたと信じたい。こういう奇襲じみたことは相手を選ぶ。信頼が無ければできないことである。今回妻には甘えてしまったな。

●6月7日 妻の誕生日
 妻の誕生日であった。昼間は梅田へ出る。妻は夜まで仕事の予定であったが、夜の仕事が無くなったようで午後に合流する。妻との時間を過ごす。夜は十三にある窯焼きピザを売り物にしているイタリアンへ行く。美味である。しかし妻にも僕にももう往年の勢いはない。すべてを頼みすぎ、最後にやってきたドデカ豚肉オーブン香草焼き、みたいなのに大変な苦労をする。美味しかったけれど。今から考えるとあれ以来妻の胃の具合が悪いようである。うーむ。

●6月8日 一時帰京
 外せない打ち合わせが東京であったので、東京に戻ってこれを済ませる。移動途中玉木青から勧められた『嫌われる勇気』をひたすらに読む。構成とキャラクター設定が苦手なんだけれど、それでも大変に面白い本であった、やはりベストセラーになることだけはあり、僕のように凝り固まった精神の男にも届くものがあった、

●6月9日 再度帰阪
 また大阪である。新幹線で大阪に向かう。今度は翌日の演出を担当する演劇の台本を読みながら演出を考える移動時間。大阪に着き、事務作業をいくつかぽんぽんとこなしていくが、果たしてうまくこなせたものかどうか。誰も知るものはない。

●6月10日 ビッグイシュー稽古、演劇稽古 
 朝、妻宅のすぐ近くにできた喫茶に行く。純喫茶風禁煙というなかなか僕にとっては良い環境で作業をする、12時半からビッグイシュー講談部の練習だったので淀川区民センターへ。稽古はなかなか難しい。講談の効果や特性について思いを馳せる時間。対観客の芸能では確かにあるんだけれど、当事者講談、私講談の類はかなりセラピー的でもある。自分の人生の出来事、判断を下す瞬間を、お客さんに伝わるように、という方向性で以て整理する。そして整理したものを言葉にする。発する。という行動によって、自分の人生が一体何だったのか。がはっきりする。当然講談は嘘と大げさの芸能なので、丸侭事実、というわけにはいかないのだが、人生のあの場面をどのように認識できるか、他人にとってどう認識されたいか、どのように語ればわかってもらえるか。それと向き合う時間でもあると思う。能力があれば何かセミナーなどを開いて儲けに儲けて『講談で人生に「ケリ」をつける』みたいな1、800円文字デカ余白多インフルエンサー帯本などを出版して左うちわにもなれるのかもしれないのだが、どうにもこうにもちからがない。毎月のビッグイシュー講談会に向けて稽古を続けていくのみである。
稽古が終わって一旦帰宅をし、家でゆっくりしたのちにまたも淀川区民センター。今度は演出を務める演劇の稽古である。
久しぶりに演出というものをするがこんなにも難しいものだったとは。という感じ。課題や困難にぶち当たった際に演劇だと演出で解消していき、その演出により劇的になっていく、面白くなっていく。普段やっている講談だと、演出レベルはもちろんだけれど、すべてが一人なので、セリフ変更や大幅な編集、いや、演目を変える、ということも含めて考えて即実行できる。しかし演劇はそうはいかず、そこが大変難しい。
でも演劇だからこそできる積みあがっていく微細な表現なんかは一人芸では無しえないことであるから、難しいながらに演出していて面白いものではある。事実役者の奮闘もあり、良い演劇になってきていると思う。わからないことは役者に頼ってでもいい演劇にしていきたい。

●6月11日 演劇稽古
 この日も演劇の稽古であった。僕が書いた短い脚本も上演するのだ。女性二人に演じてもらう。全く以て深みの無い、軽いだけの台本であるが、ある種の幸福感を醸し出すように書いたつもりである。仕上げの稽古であったが、かなりまとまったように思う。変な台本、何度も同じようなセリフが出てきたりしてややこしい、自分で演じるなら絶対に書かない、あるいは演じる時にセリフ通りにやらない、という台本なんだけれど、役者はすごい。真っ向からやってくれる。これも演劇の良さであろう。自分でやらない部分を他の職能に責任転嫁して、その職能の人がいい仕事をして、面白さの総量を増やすことができる。当たり前のようだが新鮮な体験をさせてもらっている。

●6月12日 玉秀斎の勉強部屋
 昼くらいからぱりぱりと作業をした後、会場である青山ビルさんに入る。準備がなかなか大変であった。結構肉体を使う。準備を終えた時には体中が痛く切ない気持ち。頼むから弟弟子が現れて欲しい。無茶苦茶優しくすると思う。この作業の成員が一人から二人になるのならば。
会は和歌山大学の木川教授と師匠のトークショー。木川先生の専門である観光映像がテーマ。いくつかの観光映像を見比べていきながらトークが展開していく。あんまり、よくない観光映像も流してくれるので、ショーとして面白い時間でありつつ、しっかり観光映像についても学べる時間。終演後会食。帰宅すると24時前。


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