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7月30日 ビッグイシュー講談会後記


ビッグイシュー講談会では、ビッグイシュー販売者で結成されたビッグイシュー講談部の発表も兼ねている。
ビッグイシュー講談部の方々とは月に一回のお稽古の時にお会いする。
でも講談部で日ごろ路上に立っておられるお二方はそれぞれ梅田新道、淀屋橋を売り場にされているので、良くお会いする。
師匠主催の講談会は北浜・本町・淀屋橋で開かれることが多く、梅田と会場を徒歩で移動することが結構多いので、ご挨拶させていただく機会も多いのだ。
特に玉玉亭播秀さんは結構夜遅くまで販売されていることが多く、よくお目にかかる。

お目にかかるたびに次のお稽古や講談会のことについておしゃべりをする。
中々密に連携が取れている感じがする。
この前の立川文庫続き読みの会の後にもお会いして色々とおしゃべりをした。
まあ5分ほどなんだけれど、別れ際がいつも妙に寂しい。
次の講談会もいい会にしなきゃいけないな、そのために僕にできることはやりたいな、と思う、いつもそういう別れ際だ。

ビッグイシュー講談部を作った男、玉玉亭秀洛さんは販売者を卒業して就職されたが、ビッグイシュー講談部は就職してからも続ける、と宣言されていた。
環境が変わったこともあるのだろう。少し講談部の活動はお休みされている。
でも秀洛さんのツイッター(玉玉亭秀洛の名前でツイッターをしてくださっているのが嬉しい)を見ていると、講談部に戻ってこられる気は満々なようなので、帰還を待ち続けようという気持ち。
就職と講談部がうまく両立して楽しい感じになればいいなあ、と秀洛さんのツイッターを見ながらひそかに応援し続けている。

今日は16時に会場入りさせていただいて、準備を進める。
密対策の会場設営。かなり密は防げたと思う。
師匠が来られて会場を手直し。更に密を防ぐことができた。

その後、講談部のお二方が来られてお稽古をして、本番。
開場中に「三方ヶ原の物見」を語って勉強させていただいた。

開演して一番手で「玉田玉山物語 モスバーガーの珈琲Lサイズ」を。
最近よくする演目。
立川文庫続き読みで初演して、玉田×旭堂きょうだい会、和歌山の講談会、このビッグイシュー講談会と四回目だ。
同じネタを4回する、というのはあまり経験が今まで無いけれど、無いなりの地平が見えて面白かった。
かなり落ち着いてできた気がする。頭が初演とは全く別方向に廻っていくのが面白かった。

その後、播秀・壱秀両部員によるビッグイシュー新号紹介。
スパイク・リーの新作映画はネットフリックス限定配信なんだ、へえ。などと思う。
ビッグイシューは情報性が高い。

そして編集部の松岡さんと師匠の新号紹介を挟んで、師匠が今まで語られてきた、様々なホームレス当事者の方の物語を振り返って中入り休憩。

休憩あけは播秀・壱秀両部員が再び登場。
それぞれ播秀さんは自分の趣味の「電車の終着駅巡り」のことを、そして壱秀さんが小学生の頃のプラモデルの思い出を語られる。
師匠もおっしゃっていたけど、普通の思い出だ、よくある思い出。
でもホームレスの方に普通の思い出があるんだ、という当たり前な、それでいてともすれば忘れてしまいそうな想像力をちゃんと思い起こさせてくれる、そんな時間だった。

最後は師匠のビッグイシュー講談。
続き読みがずっと続いている。
主人公がホームレス状態になり、暫くホームレスであるという自覚なく過ごし、鏡を見てそこに映った自分の姿を見て、自分の境遇を悟る、という場面があって。
これって普遍性にある話だな、と思った。

終ってから講談部のお二人に、いつも指導をしてくれてありがとうございますの品をいただいた。手紙まで。すごくうれしかった。7月の中では一番うれしかった。今年のベストになる可能性もある。

なんだかいい講談会だった、という感想を師匠とお話させていただきながら梅田までご一緒させていただいたのだった。


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