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【3分解説】株価サイクルに影響を与えるサイクル②

・「【3分解説】株価サイクルに影響を与えるサイクル①」では、株価サイクルに影響するサイクルとして、景気サイクルと企業利益サイクルがあり、景気サイクルを先にご説明しました。

・続いて、もう一つのサイクルである企業利益サイクルをご説明します。

・企業利益サイクルは、企業のもうけの集合である景気サイクルの一部とも言えますが、変動幅は景気サイクルよりも大きいです。
・これは、企業の利益にはレバレッジ(てこの意)がかかるからです。
・どういうことかと言うと、例えば、売上が10%上昇したときに利益がそれよりも大きい20%の上昇を見せる、といった状況を指しています。
・なぜこのようなことが起きるかと言うと、利益は売上ーコストで算出されますが、コスト部分の中に売上の変動と一致しない項目(固定費)が存在することで発生します。逆に、売上と連動する費用は変動費と呼びます。
・例えば、売上100円、変動費50円、固定費0円、利益50円の企業は、売上が2倍の200円になれば、売上200円、変動費100円、固定費0円、利益100円となり、利益も売上と同じく2倍になります。
・これが、売上100円、変動費25円、固定費25円、利益50円の企業は、売上が2倍の200円になれば、売上200円、変動費50円、固定費25円、利益125円となり、利益は売上よりも増加率が高い2.5倍になります。

・ですので、大規模設備が必要な素材・工業製品メーカーや発電設備を保有する電力業界などは固定費が大きくなり、レバレッジもその分かかるので利益変動も大きくなります。

・また、企業利益サイクルは、産業ごとに景気サイクルから異なる影響を受けます。
・景気サイクルの影響を大きく受ける産業は高額または消費を先延ばし可能な先で、素材・原材料(化学、金属、エネルギー、半導体など)、耐久財(車、不動産、企業の生産設備など)、金融などが挙げられます。
・逆に、低額または消費を先延ばしできないもの、食品、医薬品、生活サービス(公共交通、電力ガス、美容理髪サービスなど)は、景気サイクルの影響を受けづらいと言えます。

・まとめると、企業利益サイクルは基本的に景気サイクルと連動しますが、レバレッジがかかりサイクルの変動が大きくなるほか、産業ごとに異なる変動幅・タイミングを持ちうる、ということです。
・株価サイクルの前提となる景気サイクル、企業利益サイクルについてご説明が終わりましたので、株価サイクルについて、以下でご説明します。

※景気サイクルについてはこちらをご覧ください。


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