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そして、メインビジュアルができるまで。


こんにちは。


多摩美術大学情報デザインコース卒業研究制作展2021「そして、」広報班です。
6回に渡って、今年度の卒展は一体どのように作られていったのかご紹介していきます。


第1回目はテーマを伝える肝となるメインビジュアル、ロゴができるまでのプロセスについてお話ししていきます。


どのようにアイデアが生まれ、集まり、完成したか、楽しんで読んでいただけたら幸いです。

01.テーマとコンセプト


多摩美術大学情報デザインコース卒業研究制作展2021は、3月に組織が発足し、4月からコンセプトの案出しを行いました。



この展覧会は私たちの集大成であり集約点です。

そして、学生としては最後の作品ですが、作り手としての終わりではなく、
次のステップへ繋がる始まりです。




そういった文脈が感じられるテーマにしたいと考えました。

会議を重ねた結果、

たくさんの点と点が結ばれて線となり、その線が途切れることなく先へと続いていくように。私たちの4年間は終わりを迎えますが、1つの分岐点となって、また新しい何かが始まります。
そんな終わりと始まりをつなぐ言葉である「そして、」をテーマにしました。



さらにこのテーマを表現するために、コンセプト文を考案しました。



わたしたちは 出逢い、見つめ、創り出す。

日々を重ね、区切り、別れる。

つくり、つづり、つづく。



一旦止まり、ふたたび動き出す、流動的なイメージのコンセプト文になっています。




02.ビジュアルのアイデアから、決定まで。




続いて、決定したテーマやコンセプトから、ビジュアルについて卒展幹部全員でイメージを膨らませていきました。

挙がったキーワードは、


・静寂

・線

・やわらかさ

・紙などの質感

・インク

・手書き
    などです。




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物語を連想させるテーマやコンセプトから、手書き風のビジュアルが合うという意見が多く集まり、それを元に広報幹部2人でロゴを構想していきました。

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手書きを表現する上で筆記体なのか、横書きか縦書きかなど、様々な案を制作しました。
ポスターなどに展開するのかイメージしやすいように、色やテクスチャをつけています。

これらの案の中から、縦書きの筆記体を中心にブラッシュアップしていきました。

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縦書きの筆記体、草書といっても、どこまで崩すのか、
本来の文字の書き順に沿うのか、直感的な形にするのかなど試行錯誤を重ねました。
完成したロゴがこちらです。

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この形に至るまで、データを手書きでなぞったものをスキャンしたり、線の動きの気持ちよさや、テーマに対する説得力、本当にそれぞれの文字が読めるのか?などの微調整を繰り返しました。



03.そして、ロゴの展開。




例年、ロゴよりも先にトーン&マナーが決まります。

7月のオープンキャンパスで卒展の告知ブースがあるため、来場者に雰囲気が伝わるようにトーン &マナーを先に確立させ、ロゴやビジュアルは後に考えていました。



今年度はイベントスタイルのオープンキャンパスが開催されなかったため、告知ブースを用意する必要がありませんでした。

そのため、コンセプトを元にロゴを確立させてから、トーン&マナーを決めるスタイルで取り組みました。



色合いだけで印象はガラッと変わります。

線は黒か、万年筆で綴ったような青インクか、暖かさを感じさせる朱色か。

地は無機質なグレーか、ピンクか、少しテクスチャを加えて紙のような質感を出すか。

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様々な組み合わせを考え、コンセプトと照らし合わせ、会議を重ねていきました。

結果、紺の線と日焼けたような淡いピンクベージュの組み合わせに決定しました。さらに細かい色味の調整をしていきます。

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特にこだわったのはベージュの色味です。

シュっとしすぎず、アナログの暖かみを主張しすぎない真ん中のトーンをベースにしました。

おおまかにビジュアルは決まりましたが、今年のロゴは線が細く、デザインした私たちも扱いに苦戦するほど。

華奢なスタイルが持ち味のロゴを最大限に生かすために、どのようにロゴを扱うかが次の課題でした。

そこで、ペンやインクで描いた線をパターン化し、アナログの要素を加えたトーン&マナーとすることにしました。

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さりげなく有機的な細い線をロゴと合わせて配置することで、より一層コンセプトへの解像度が上がったと思います。

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また、この線は切り取り、回転、組み合わせが自由となっています。

そのため、これからの記事でご紹介するDMやポスター、おみやげなど、全てパターンが違います。


個々の作品がそれぞれ動き重なるような、流動的な線も是非楽しんでご覧になって下さい。




このロゴとトーン&マナーが確立するまで、約5ヶ月。



何度も工夫や改良を重ねたロゴは、ポスター・DMという形で各地の美術館や学校に届けられたり、

InstagramやTwitter、そして、もちろんこのnoteのアイコンにもなっています。

是非チェックしてみてください。



次回の更新は2/15(月)です。
DMとポスターについて詳しくお話しします。
どうぞお楽しみに!



多摩美術大学情報デザインコース卒業研究制作展2021 広報代表

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