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青色申告を選ぶメリット①青色申告特別控除

 個人事業者、不動産オーナーの方が「青色申告」の選択で受けられる税務のメリットを整理しておきましょう!

 青色申告を選択できるのは、事業所得のほか山林所得または不動産所得を生じる業務を営む人に限られます。
 会社勤めで給与所得だけの場合は残念ながら選択できません。
 事業所得とは、小売業、卸売業、製造業、サービス業、建設業、農業など範囲は広く、フリーランサー(自由職業者)も含まれます。自己の計算と危険のもとにおいて、独立して事業を行う人が事業所得者であり、仕事の規模や大きさは問いません。
 不動産所得者とは、土地、駐車場、アパート、店舗などの不動産、不動産の上に存する権利の賃貸をしている人をいいます。アパート1室だけの貸付けであっても不動産所得となります。
 山林所得者とは、5年を超える期間所有していた山林の伐採による譲渡、立木のままで譲渡することによる所得を得ている人です。


①青色申告特別控除  

~ 10万円、55万円、65万円の3つのコースがあります ~


 青色申告者には、税金面で数多くの特典が認められています。このうち、最も節税効果が大きいのは、青色申告特別控除の適用です。
 毎年、「青色申告特別控除額×適用税率」に相当する額を節税できます。
 
 青色申告者が「複式簿記」に基づく帳簿記入を行い、貸借対照表と損益計算書を提出する場合には、毎年55万円の青色申告特別控除が認められます。  
 これらの人が電子帳簿保存または電子申告(e-Tax)をする場合には、控除額は65万円とされます。
 具体的には、正規の簿記の原則(複式簿記)による帳簿付けに加えて、次のいずれかの要件も満たす必要があります。
(1)その年分の事業にかかる仕訳帳および総勘定元帳について「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」に定めるところにより電磁的記録の備え付けおよび保存を行っていること
(2)その年分の所得税の確定申告書、貸借対照表および損益計算書等の提出を、その提出期限までに電子情報処理組織(e-Tax)を使用して行うこと

 個人事業の開始時に、パソコン会計や電子申告のために投資を行っても、その投資額は、その後の節税額で回収できますね。


 青色申告であっても、現金主義による帳簿記入または簡易な帳簿記入をする場合の青色申告特別控除は10万円です。
 10万円の青色申告特別控除は無条件に認められます。

 なお、事業的規模ではない不動産所得と山林所得の青色申告特別控除は、10万円のみです。
 事業的規模である不動産所得は事業所得と同じ扱いです。
 不動産所得と同時に事業所得を得ている人は「不動産所得→事業所得」の順番で、合わせて65万円または55万円の控除額が適用されます。

 正しい記帳へのご褒美として65万円の青色申告特別控除を受けましょう!


<青色申告特別控除額>

1.簡易な帳簿付け(現金主義簡易帳簿を含む)・・・ 10万円
2.正規の簿記の原則(複式簿記)による帳簿付け(3以外)・・・ 55万円  
3.正規の簿記の原則(複式簿記)による帳簿付けを行うとともに、電子帳簿保存または電子申告(e-Tax)を行う ・・・ 65万円

 <正規の簿記の原則(複式簿記)で記帳する帳簿>
① 必ず記帳する主要簿 ・・・ 仕訳帳(仕訳伝票)、総勘定元帳
② 必要に応じて記帳する補助簿 ・・・ 現金出納帳、預金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳 など

 


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