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青色申告を選ぶメリット②青色事業専従者給与

 個人事業者、不動産オーナーの方が「青色申告」の選択で受けられる税務のメリットを整理しておきましょう!

 
青色申告を選択できるのは、事業所得のほか山林所得または不動産所得を生じる業務を営む人に限られます。
 会社勤めで給与所得だけの場合は残念ながら選択できません。
 事業所得とは、小売業、卸売業、製造業、サービス業、建設業、農業など範囲は広く、フリーランサー(自由職業者)も含まれます。自己の計算と危険のもとにおいて、独立して事業を行う人が事業所得者であり、仕事の規模や大きさは問いません。
 不動産所得者とは、土地、駐車場、アパート、店舗などの不動産、不動産の上に存する権利の賃貸をしている人をいいます。アパート1室だけの貸付けであっても不動産所得となります。
 山林所得者とは、5年を超える期間所有していた山林の伐採による譲渡、立木のままで譲渡することによる所得を得ている人です。

②青色事業専従者給与の必要経費算入 

~  同一生計親族への専従者給与が必要経費になります  ~


 青色申告書を提出する個人事業者は、自己と生計を一にし、一定の条件を満たす配偶者や親族への給与を必要経費に算入できます。

 青色事業専従者は、その年の年末時点で満15歳以上であり、原則として、年間6か月を超える期間その事業に専従することが条件です。毎月の給料のほかに賞与支給額も必要経費に算入されます。

 納税地の所轄税務署長に対して、青色事業専従者の氏名、職務の内容、給与の金額などを記載した「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出する必要があります。
 同一家計内での資金移動が必要経費になり、かつ、所得分散できるため、業務を手伝う親族がいる場合には活用したい特典です。

 青色事業専従者給与の支給が認められるのは、事業所得者のほか、山林経営や不動産貸付けを事業的規模で行う人です。ワンルームマンションを1室だけ貸付けている不動産所得者などは、家族に手伝ってもらうほどの仕事量がないため青色事業専従者給与は支給できません。

 白色申告者にも、専従者給与を必要経費に算入できる特例はありますが、残念ながら専従者給与の支給額に上限が設けられています。これに対して、青色事業専従者給与には支給額の上限がありません。あらかじめ届出た範囲内の金額であれば、仕事内容に見合った給与額で報いることが可能です。

 ただし、これらの専従者給与は青色申告者の所得計算において必要経費に算入される一方で、受け取った親族側の給与収入となります。
 専従者給与の月額が88,000円以上となれば、所得税を源泉徴収しなければなりませんし、源泉所得税の年間合計額と年税額の精算を行う「年末調整」の作業も個人事業主の仕事になります。

 また、青色事業専従者給与の支給を受ける配偶者や親族は、青色申告者本人の所得税計算において配偶者控除、扶養控除、配偶者特別控除など人的控除は適用されません。

 事業を手伝ってくれる親族に専従者給与を支給して節税しましょう!

<「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出期限>
 青色事業専従者給与額を支給しようとする年の3月15日(その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合または新たに専従者がいることとなった場合には、その開始した日や専従者がいることとなった日から2か月以内


 


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