「NISA」の内容と変更
<質問>
NISAの内容を教えてください! 制度が変更されると聞きましたが?
<答え>
NISA口座内で購入した株式、投資信託などの売却益や配当金等について、一定の期間、一定金額の範囲内で非課税とされます。
また、2024年から制度の内容が変わります。
NISA (Nippon Individual Savings Account)とは、「少額非課税投資制度」の愛称です。
◆ 現行制度の概要
NISA口座内で、一定金額の範囲内で購入した株式、投資信託などの配当金、分配金、売却益等が非課税(通常は20.315%で課税)とされます。
一般NISA(年間投資額120万円、最長5年間非課税)、つみたてNISA(年間投資額40万円、最長20年間非課税)、未成年者が対象のジュニアNISA(年間投資額80万円)の3つがあり、ジュニアNISAは2023年末で終了します。
「NISA」と「つみたてNISA」を同じ年に併用することはできません。
つみたてNISAは「長期・積立・分散投資」による資産形成を支援する制度であるため、投資対象商品は金融庁が定める投資信託に限られています。
◆ 「NISA」のメリット
NISAのメリットは、一定金額までの株式、投資信託などの売却益・配当金等が、購入した年から最長5年間(つみたてNISAは最長20年間)非課税とされることです。
各年の配当金・分配金が課税されませんし、NISA口座内で値上がりした金融商品を非課税期間内に売却すれば非課税の恩恵をフルに受けられます。
またNISA口座については、株式取引手数料を無料とする金融機関が多いこともメリットのひとつです。
◆ 「NISA」の注意点
NISA口座内で生じた売却益等は非課税とされる一方で、売却損失はないものとされます。他口座の株式売却益との損益通算はできず、損失を繰越して翌年以後の利益から控除することもできません。
また、その年に使用しなかった投資枠は切り捨てられ、翌年に持ち越すことはできません。
確定拠出年金(iDeCo)と異なり、口座内の金融商品はいつでも売却できます。ただし売却分の非課税枠を別の投資へ再利用することはできません。
◆ 「一般NISA」の非課税期間終了後の選択とデメリット
一般NISAの非課税期間が経過した後は、翌年の非課税投資枠に移管して、非課税期間を延長するか、または、課税口座への移管を選択します。
非課税期間の延長を「ロールオーバー」といいます。評価額が120万円を超えていても、全額を翌年のNISA口座に移すことができます。
値上がりしている金融商品は、ロールオーバーすることで非課税で運用し続けることも選択のひとつです。ただしロールオーバーでは、その評価額分(時価)の非課税投資枠を使用したものとみなされます。
課税口座への移管は、非課税期間終了時の“時価”での移管となります。
そのため、NISA口座での購入時の価額よりも値下がりした株式を課税口座へ移管し、その後売却する場合、実質的には利益が出ていないにも関わらず課税されてしまうケースが生じることに注意が必要です。
(例:NISA口座で200投資 → 時価80で課税口座へ移管 → その後150で売却、実際は50の損失なのに、売却益70(=150-80)に課税される)
これはNISA最大のデメリットといえます。
◆ 2024 年から制度が変わります!
一般NISAは2階建ての「新NISA」に見直したうえで5年間延長されます。
1階部分(年間20万円)は、つみたてNISAと同様に少額から長期、積立、分散投資を行える制度とされます。
2階部分(年間102万円)は、現行の一般NISAにおける投資対象商品を一部見直して、幅広い金融商品に投資が可能となります。
原則として、1階部分で積立投資を行っている場合に、2階部分で別枠の非課税投資が可能となります。
ただし、すでにNISA口座を開設している人、株式投資の経験がある人は、例外的に、1階部分を利用せずに2階部分で上場株式に限り投資することができます。
つみたてNISAは現行の制度内容を維持したうえで、5年間延長されます。
ジュニアNISAは延長せず、2023年末に廃止されます。ジュニアNISAは、成人前に引き出せば遡及課税されるしくみでした。しかし制度終了に伴い、18歳未満であっても、2024年以後はすべてを解約することで非課税で引き出せます。あるいは、現在ジュニアNISAに投資している人は、成人年齢まで、引き続き非課税で保有することもできます。
現行のNISA口座内で保有している金融商品は、新制度とは別枠で現行制度の非課税措置(購入時から一般NISAは5年間、つみたてNISAは20年間)が継続します。制度変更時に売却する必要はありません。非課税のまま保有することも可能ですし、もちろん売却することも自由です。
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