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交際費に関する○×問題


交際費に関する○×クイズ ~ 法人税での取扱い ~


税務と会計では異なる扱いとなる交際費についてクイズにチャレンジ!
次の文章は正しいでしょうか? 間違っているでしょうか。

1.得意先を温泉に招待して販売会議と宴会を行う費用は、場所柄すべて交際費になる。

2.会議の際に1人当たり8,000円の飲食物を提供した場合に、5,000円を会議費、残額の3,000円を交際費として経理処理した。

3.重要得意先であるA社の社長との商談に際して、社内に適当な会議室がないため、近くのホテルを利用し、2人分で昼食代12,000円を要したため、交際費として経理した。

4.得意先に対して、売上割戻と同一の基準により交付した3,000円の「ビール券」代を交際費等からは除外して販売促進費として処理した。

5.医薬品開発製造を行う当社は、関東圏の病院・医師を対象に、一定額以上の商品購入者を海外旅行に招待する販促キャンペーンを企画し、広告宣伝費として処理している。

6.日本貿易(株)では、プロゴルフトーナメント「日本貿易オープン」を企画開催し、 運営費・優勝賞金・ホールインワン賞などを広告宣伝費として処理している。

7.当社の後継者である専務取締役の結婚披露宴費用を会社で負担したが、招待客の大半が取引先であることを理由に、交際費として処理した。

8.得意先へ訪問する際に、和菓子3,000円を持参した。少額であるため雑費とした。

9.接待後に、終電がなくなり営業担当者がタクシーで帰宅した費用は旅費交通費である。

<答え>
1 × 会議に直接要した費用の部分は「会議費」として区分経理します。
2 × 得意先等との1人当たり5,000円以下の少額飲食費の損金算入特例は、基礎控除的には使えないためご注意ください。
3 × 得意先等との1人当たり6,000円の飲食費であっても商談・打ち合わせがメインの目的であれば「会議費」とします。
4 ○ 売上割戻しと同一の基準により、購入できる物品が限定される金券(ビール券、図書カードなど)を交付する少額物品費用は販売促進費です。
5 × 当社の商品を購入する可能性が高い事業者を対象にした販促キャンペーンなので交際費に該当します。
6 ○ 
7 × 個人的な費用の負担として役員賞与とされます。
8 × 心ばかりの手土産は交際費となります。
9 × 接待行為に関連する費用であるため交際費に含めます。


 交際費は会計では費用として処理しますが、法人税等の計算において損金算入限度額が設けられています。
 資本金1億円以下の中小法人(資本金5億円以上の法人の完全支配関係にある法人は除く)に対しては年800万円の損金算入枠がありますが、大法人の損金算入限度額は0円です。交際費に含める必要のない費用については、実態を伴う別の科目で会計処理しておくことも大切ですね。

 法人税の計算において損金に算入されないことを「損金不算入」といい、会計で費用処理した金額の一部または全部が税務で損金に算入されず課税対象となるため、「交際費課税」とも呼ばれます。
 
 なお、もっぱら従業員のための福利厚生費、会議商談に際しての飲食費、売上割戻しのほか、1人当たり5,000円以下である得意先等との飲食費のうち飲食店名、合計参加人数、得意先等の個人名などの書類を「保存」している支出(社内飲食費を除く)は、会社の規模を問わず交際費課税から除かれ、損金に算入されます。

(注)損金算入 ・・・ 法人税等の計算で費用・損失として算入できること

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