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「iDeCo」の内容と変更

<質問>

 パート勤務の主婦も確定拠出年金に加入できると聞きましたが ?

<答え>

 専業主婦(国民年金の第3号被保険者)も確定拠出年金の対象者として、年額27万6000円(月額2万3000円)までの拠出限度額があります。

◆ 制度の概要

 確定拠出年金とは、個人事業者や企業年金のない企業の従業員、公務員、専業主婦などの将来の年金準備を支援する私的年金制度です。
 会社(事業主)が掛金を拠出する企業型年金と、加入者自身(自分)が掛金を拠出する個人型年金があります。
 個人型確定拠出年金は、愛称として「iDeCo(Individual-type Defined Contribution Pension Plan)、イデコ」と呼ばれています。
 掛金の拠出額は確定していますが将来の受給額は運用次第です。
 当制度は、60歳まで掛金を拠出し、自分が選択した金融商品に運用することで資産形成を行い、運用成績に応じて給付金を受け取ります。
 通算加入期間が10年以上であれば60歳以後に老齢給付金を受け取ることができ、通算加入期間が10年に満たない場合は受給可能な年齢が繰り下げられます。
 なお、2022年5月から対象年齢が65歳未満に拡大されており、60歳以上の第2号被保険者または国民年金の任意加入被保険者は65歳になるまで加入可能です。
 また、2022年4月から受給開始の上限年齢も70歳から75歳に引き上げられており、60歳(加入者資格喪失後)から75歳までの間で受給時期を選択できることとなっています。

◆ 「iDeCo」のメリット

 確定拠出年金は、
1.掛金の拠出時
2.運用期間中
3.受給時     のすべての段階において税制優遇が適用されます。

 まず拠出時には、加入者区分ごとに定められている上限まで、掛金全額が所得控除の対象となります。専業主婦の場合は、上限である年額27万6000円(月額2万3000円)まで自分が支払う掛金の全額を所得から控除できます。所得控除の対象となることで、支払った掛金に自分の税率を掛けた分の節税効果があります。
 ただし、パート収入が103万円以下の場合は所得税が課税されないため、所得控除の恩恵は受けられません。
(注)103万円=給与所得控除(55万円)+自分の基礎控除(48万円)
 続いて、運用期間中における運用益は非課税で再投資されます。定期預金や公社債の利息、上場株式の配当金は税率20.315%(復興特別所得税と住民税を含む)で課税されることと比較しても有利な制度といえます。
 最後に、将来の老齢給付金は一時金または年金で受け取ることができます。一時金には退職所得控除、年金には公的年金等控除が適用され、いずれも税負担が軽減されます。

◆ 「iDeCo」の注意点

 これらの税制優遇がある一方で、受給開始年齢(原則として60歳)までは、運用資産の途中解約や引き出しはできません。
 また、口座の開設と維持には管理手数料が必要です。掛金の拠出を休止して運用だけ指図することもできますが、この運用指図者の期間中も口座管理手数料は引き落とされます。

◆ 「iDeCo」への掛金拠出方法

 月払いのほかに年払いや半年払いでの掛金拠出も可能です。年払いとすれば、拠出1回ごとに支払う事務手数料を節約できます。
 その反面、年払いのタイミングによっては、値上がり時点の高値で投資してしまうリスクが生じます。また年払いでは、一定額を継続的に投資することにより取得価額を平準化できる定額購入(ドルコスト平均法)のメリットを受けられません。
 定額購入では、「価格が安い時には多くの口数を購入し、価格が高い時は少ない口数を購入する」ことにより一定額を継続的に投資します。


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