雨とピアノの話。

雨が降ったり止んだりしている。毎日、毎日。お、晴れてきたな、と思って買い物に出るとまた降り出す。いつもそうだ。それを見越してこの数週間はビーチサンダルしか履いていない。

雨音とピアノの親和性について考える。ピアノの音は粒だからな、という結論に達する。雨粒。音の粒。メロディーでありながら粒である。雨音もたまにメロディーになるからなあ。ピアノは雨から生まれたのかもしれない。そんなわけはない。そんなわけはないが、そうであったら面白い。ピアノをつくったひとの本を探そうとおもう。

あしたはピーナッツバターサンドをつくる。ピーナッツバターとブルーベリージャム。バナナも挟むか迷い中。ピーナッツバターサンドを鞄にしのばせて、初めてのバイトへ行く。帰り道に食べる。おとなになっても食べながら歩くことがやめられない。子どものほうがやってはいけないことをよく知っているとおもう。おとなになって、怒られないのを良いことに好き勝手やっている。子どもの頃は怒られるのがこわかった。いまはもう、こわくない。でも逆に、子どものとき、こわくなかったものがこわい。

「私たち、おとなになってしまうね」と言っていたあのときがきっと最強だった。ねえ、いま、こわいものはありますか?

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