No.594|「車輪の再発明」は美徳ではない
2024年8月20日 No.594
当ブログは、ビジネスパーソンに向け、日々働く中で得た気づきについて発信します。
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「車輪の再発明」という言葉があります。
この言葉は、広く受け入れられ確立されている技術や解決法を(知らずに、または意図的に無視して)再び一から作ることを表現した慣用句です。
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以前の上司が、「車輪の再発明」を部下にさせる人でした。
同じクライアント先の過去のワークショップの資料、別クライアントで作成した事業計画書、会社内部での説明資料、など、本来であればチームのノウハウであるものをまったく共有しません。
とにかく、ゼロから考えるように求める方でした。
入社したてで何をすればいいかわからない状態で、さすがにゼロベースでなんでもかんでも求められるのは大変つらい状況でした。
お手本がないわけで、それでも間違えたら怒られるんですよね。
適切なフィードバックがあれば別ですが、個人的には大変でした。
能力が鍛えられるのではなく、鍛えられたのはストレス耐性でしたね。
それもある程度は役に立っているのかもしれませんがw
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超絶賢くて、天才が作ったような算数の定理があります。
例えば、三平方の定理(ピタゴラスの定理)ってのがありますよね。
「直角三角形の斜辺の2乗が他の辺の2乗の和に等しい」というものですが、こんなのゼロベースでいくら考えても出てきません。
しかし、三平方の定理を知っていたら、公式に当てはめると2辺の長さがわかれば、もう1辺の長さが簡単にわかるわけです。
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過去に既に作られた技術・ノウハウ・経験といったものがあるのであれば、それを使用することが時間を有効に使い、レベルを高めていくための唯一の方法です。
つまり、「巨人の肩の上に乗る」ということが大事です。
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しかし、こうした構造をわかっていても、ついつい「自分の独自のやり方にこだわりたい」という思いが邪魔をしてくることがあります。
「まだまだ巨人の肩の上に乗りきっていない」にもかかわらず、自分の独自の判断で勝手に自己流をやりだす。
しかしこれでは結果的に、身にはなりません。
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これを防ぐには、メタ認知、言い換えれば自分の状況を客観的にとらえることが重要です。
・自分はどの段階にいるのか。
・巨人の肩に乗り切ったのか。
を把握することです。
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そのためには、自分は今どういった状況なのか、先達に伺うことも必要でしょうし、その道の見取り図についても伺うということも大事になってきます。
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自分は基礎ができていない状態だとメタ認知し、「巨人の肩に乗る」ことを厭わないこと。
それが成長していくためのコツではないかと、最近特に思います。
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皆様は「車輪の再発明」をしようとしていませんでしょうか。
自力を使うところとそうでないところを見極めないと、いつまで経っても成果にはつながらないかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
明日も「即断・即決・即実行」「平均ではなく異常をやり続ける」「わからないからすべてやる」「巧遅拙速」「大量思考・大量行動」でいきます!
●本日のまとめ
・「車輪の再発明」をしてしまうのは、メタ認知で自分の状況を把握できていないため。
・自分がやろうとしていることにおける全体像、言い換えれば見取り図を持ったうえで自分の状況を客観的に理解することが重要である。
・そのうえで、守の段階であれば遠慮なく「巨人の肩」に乗ることが効率的な成長につながる。
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