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〜さらなる飛躍に期待 寺岡寛治〜

 皆さんこんにちは。たまだー(@tama7514)です。やっと球春という感じがしてきましたね。今回は初めてNPBの現役選手についてnoteを書いていきます。今回は、昨シーズンプチブレイクを果たした、寺岡寛治投手です。

 寺岡投手は、2017年のドラフト7位で独立リーグ・石川ミリオンスターズから楽天に入団しました。2018シーズンはファームで30試合を投げるもオフに戦力外。育成で再契約をし、2019年の7月下旬に支配下契約を勝ち取りました。経歴を見てもわかる通り、かなりの苦労人です。そんな寺岡投手をご紹介します。


1.飛躍の1年となった2020シーズン

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 上の画像は2020シーズンの寺岡投手の成績です。2019シーズンは1軍で1試合のみの登板だったため、24試合で20イニングを投げられただけでも非常に内容の濃いシーズンになったかと思います。防御率は3.15でWHIPも1.30と実質1軍稼働1年目ではまずまずの成績となっており、さらに20イニング投げて被本塁打が0という成績も残すことができました。しかし細かい成績を見ていくと、BB/9が高くなっており、これは四球数が多くなっているということを表しています。また、K/9は平均より微減となっており、この辺は2021シーズン課題になってくるかと思います。



次に、アウト内容についてです。

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 このように、ゴロとフライ率が三振率より若干高い数値となっています。アウトの約7割がゴロフライなどによるアウトであるので野手のプレーが絡んできます。野手のプレーが絡むとどうしてもミスがつきものです。昨シーズンの楽天の中継ぎ投手はブセニッツ投手をはじめ、奪三振率が低かったのが課題でした。中継ぎ(特に勝ちパターン)で起用されるにはもう少し三振率を上げることが必要かと思います。ちなみに、このようなアウト率で似ている投手が福山博之投手です。この2投手は似ている投手と言えるのかもしれません。




2.さらなる飛躍へ 対左打者に対する課題

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 この表は、2020シーズンの寺岡投手対左右打者別成績です。これを見れば分かると思いますが、対左打者に対しての被打率が高いです。石井一久GM兼任監督の発言等を見る限り、対右打者のみへの登板(所謂ワンポイント)は楽天というチームとして求めていないと思われます。つまり、対左打者に対しての被打率を改善しない限り、1軍での登板数は増えず、勝ちパターンでの起用は厳しくなります。この辺は次の項で詳しく考察します。




3.さらなる飛躍へ 〜コースと変化球の課題〜

 この項では、悟@野球(@bb_satoru)さんのデータをお借りして考察します。


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こちらは、昨シーズンの球種別投球割合です。ストレートと縦スライダーが投球の65%以上を占めています。



次の画像は、対右左別の配球ヒートマップと球種別サマリーです。

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先ほどの項でも述べた通り、寺岡投手は対左打者への投球が課題となってきます。

 まず、対右打者から。対右は被打率でもわかる通り、しっかりと抑えることができています。対右打者に対してはカットボールとカーブはあまり投げていません。ヒートマップを見てわかる通り、右打者のインコースにストレートとツーシームが投げ切れています。被打率も0割台であり、かなり優秀です。インコースにストレートとツーシームを投げカウントを稼ぎ、外の縦スライダーで打ち取るという流れができているのではないでしょうか。縦スライダーのO-Swing%も30%近くあり、ボール球でもスイングさせているのでかなり右打者へ有効な変化球となっていることがわかります。

 

 次に、対左打者。課題となっている対左打者ですが、特にストレートの被打率が.385とかなり高くなっています。ヒートマップをみると左打者へはアウトコース中心のピッチングになっており、長打になりやすいアウトハイへの投球も多くなっています。縦スライダーも被打率が高く、決め球とは言い難い球種になっています。左打者への決め球はおそらくフォークで、空振り率が30%近くなっています。O-Swing%が14%ですのでもう少し高くなるともっと楽なピッチングができると思います。対左打者への最大の課題は、フォークという決め球が確立しているものの、カウントを稼げていないorカウントを稼ぐつもりのストレートを叩かれている点かと思われます。そこで、ヒートマップ見てみると、対左打者に対してのカットボールを左打者の泣き所であるインローに投げ込めています。インローは打っても安打になりにくいのでもう少し割合を増やしてみても面白いのかなとは思います。ただストレートの被打率が高いので、ストレートをインコースにも投げきる、もしくはストレートの割合を少なくし、カットボールやツーシームの割合を増やし、それらの球種でカウントを稼ぐことが必要かと思います。いずれにせよ、対左打者への課題はカウントの稼ぎ方にあると思います。

こちらの動画はvs中田翔の時です。外の縦スライダーで打ち取っています。右打者へはこれができています。ストレートとツーシームでインコースを攻めることができるため外の縦スライダーがかなり生きます。これは寺岡投手の強みと言えます。だからこそ、左打者への攻め方が勿体ない。対左への配球等は、オープン戦を含め注視していきたいと思います。



4.最後に

 今回は、寺岡投手についてをnoteにしました。イメージと違い、予想以上に左打者に打たれており、配球にも問題があるのだと改めて思い知らされました。しっかりと右打者への対応が確立しているだけに、本当にもったいないです。7回の男・寺岡寛治が誕生する日を楽しみにしています。


<データ引用・参考>

悟@野球(@bb_satoru)さん





たまだー(@tama7514)

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