青春時代とDragon Ash

『駆け抜けよう共にこんな時代 塗り替えるのは僕らの世代』

Dragon AshのViva la revolutionが収録されているアルバムは中学時代一番聞いたCDだ。

当時友達の親の車でラジオから陽はまたのぼりくりかえすが流れた。あまりにも衝撃的だったのでよく覚えている。イントロがすごくかっこよかった。初めて聞くような音楽だった。友達が「この人達お姉ちゃんがよく聴いてる。今人気なんだよ。」と言った。当時友達の姉は高校生だった。このときこのバンドがDragon Ashという名前であることも知った。

そして直後Viva La Revolution というアルバムと出会うことになる。中学1年生だった。陽はまたのぼりくりかえすは前作のBuzz Songsに収録されていた。この曲をきっかけにDragonAshに夢中になった私はアルバムを聴きまくった。とくにViva La Revolutionはすべてがかっこよかった。衝撃的だった。小学生の頃kinkikidsが好きだった私にとって、hiphopでバンドで歌詞がラップなんて音楽は初めてだった。韻を踏むとか歌詞のことをリリックとかいう言葉を覚えたのもDragonAshからだった。

テレビにほとんど出ない彼らをみるのはMTVやスペースシャワーで流れるMVだった。そのころランキングを賑わせていたLet yourself go,Let myself goはよく流れていた。このMVで初めてマスタングという車を知った。いかついお兄ちゃん達だった。kjがすごくかっこよかった。

すごく大人にみえた。

それからしばらくして、DragonAshのライブを観に行くことができた。21st Century Riot tourだった。はじめてのDragonAshは死ぬかと思った。そして感動した。viva la revolutionはうれしかった。kjが眩しかったし、エネルギーがすごかった。強い曲ばかりなのに、なぜだか優しさを感じる曲も多かった。

『駆け抜けよう共にこんな時代 塗り替えるのは僕らの世代』強い眼差しで歌う。まさにこんな言葉が似合っていた。

中学生だった私にとって「かっこいい」の基準を作ったのは間違いなくDragonAshだった。kjがかっこいいの代名詞だった。


先日10年以上ぶりにDragonAshのライブ映像を観た。DragonAshが初武道館公演ライブだった。2014年のkjが35才ぐらいの時だろう。相変わらずかっこよかった。最初懐かしさと、ライブの楽しそうな雰囲気、そしてギラギラしていたDragonAshがみんな渋さが増していたことになんとなくうれしくなった。しかし終盤、アンコールでのviva la revolutionで私は涙が止まらなかった。

kjは『駆け抜けよう共にこんな時代 塗り替えるのは僕らの世代』を

『駆け抜けよう共にこんな時代 塗り替えるのは君等の世代』とやさしい笑みで歌っていた。

私が中学生で聴いていたあの頃、すごく大人にみえていた彼はまだ19~21才ぐらいだった。無敵に見えた。テレビにはでないのに音楽シーンだけでなく若者のファッションすら変えていた。影響力がすごかった。

いつからこの歌詞で歌っているのかは私にはわからないけれども、私自身の時の流れを強烈に意識した。大人になって、結婚して、出産して育児真っ最中の毎日を忙しく過ごしているなかで、自分の時の流れを特別意識しないままだった。

そしてあの頃の自分を思い出した。特別辛い青春時代を送っていたわけでもない。いたって平凡だった青春時代。しかしそれなりに迷いや悩みもあった。将来に対する漠然な悩みも。

ノスタルジーに勝る感動はないのかもしれない。しかし、20年以上活動を続けてくれているDragonAshに改めて感動したし、純粋に尊敬の念を抱いた。

コロナが落ち着いて、フェスやライブがまた再開する世界になったら、かならずDragonAshは行こうと思った。あの頃飲めなかったお酒を飲みながら楽しみたい。

しかしきっと、最初の曲から私は泣いてしまうのだろう。

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