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はなからぶっ壊れたキングオブコント2023とトップバッターの価値

※この記事にはキングオブコント2023年のネタバレがあります、ご注意ください。

 はじめましてこんにちは、広輔と申します。リアルタイムではないのですが、キングオブコント2023を見ました。全組めちゃくちゃ面白かった。毎年楽しみにしていますが、今年も予想だにしない設定と芸人さんたちの秀逸な演技力に、僕の脳は揺さぶられっぱなしでした。TBS側も大会を盛り上げるため、8時間の特大生放送「お笑いの日」のメインイベントとして大トリに番組を編成、三浦大知と梅田サイファーのコラボオープニング、磐石かつ最高の審査員と例年通りの気合いの入れよう。そのおかげで賞レースとしての重厚さがより増したように感じました。個人的な主観ですが、どの賞レースよりもキングオブコントが1番出役のことを考えて作られている気がする。ファイナリストののびのび加減が好きです。
 そんなキングオブコント2023で1番のインパクトを与えたと言っても過言ではないコンビが、トップバッターのカゲヤマです。このコントがとにかくすごかった。簡単に説明すると、取引先との仕事でミスをしてしまった部下のため、取引先のいる料亭に出向いて部下の代わりに謝罪をしに行く上司。ふすまの向こうから凄まじく大きな謝罪が聞こえてくるため、気になった部下がふすまを開けると、なんと上司がお尻丸出し、、といった内容。設定のパワー、演者のテクニック、バカバカしさのバランス、頭で考えなくてもいいだろと言わんばかりのコントで型にハマってしまいがちの賞レースの出だしをぶち壊してくれました。サルゴリラの歴代最高得点もこの破壊があってこそ。スクラップアンドビルドの如く、最高の大会への道筋を作り出してみせました。
 賞レースはトップバッターが不利と言われます。最初だから抑えめにという心理で審査員が高得点を付けにくいからです。現にM-1のトップバッターは面白くても厳しめな得点になることもしばしば。ただ、キングオブコントにおいてはその前例も通用しにくくなっているのかもしれません。現在の採点方式になった2015年からトップバッターの順位は
5位→6位→6位→10位→2位→8位→6位→8位→2位
で平均順位は5.8位。
同じく全国区の賞レース、M-1グランプリ(2015年〜、同年から比較)のトップバッターは
7位→5位→8位→9位→10位→7位→8位→8位
となり、平均順位は7.75位。
 これを見る限り、キングオブコントはトップバッターにもワンチャンある大会になりつつあります。もちろん出ている芸人さんも全く違う、コントと漫才で簡単に比較できるものでもないとは思いますが、個人的に出順で報われない賞レースよりも、トップバッターでも何かを起こせる可能性がある方がワクワクできるので好きです。
 トップバッターで爪痕を残し準優勝に輝いたカゲヤマ。トップバッター初の優勝者が生まれコントの可能性をより広げてくれる、そんな未来のキングオブコントに期待して、U-NEXTで今年の大会をもう一周したいと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました。コント最高。



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