「風の又三郎」宮沢賢治
小学校低学年のころに家の近くのお寺の鐘の下で読んだ。僕自身も1972年の復帰直後の沖縄へ引っ越すことになり、転校生として遠くの得体の知れない南の島へ行くことになっていた。寂寥感で彷徨うような気持ちだったのを覚えている。
そんなこともあり又三郎に感情移入して、不安な吊り橋を共に渡るような気持ちで、読むというより共感したよう思い出がある。
物語はこう始まる
僕は茶色い毛に茶色い瞳の身体も小さく色白で、本土から来た転校生なのは丸分かりであった。
そして物語の終わりで又三郎は風のように消えてしまうのである。